米フェイスブックの4~6月期、増収減益

2015年08月03日 07:20

 幅広い世代で利用者を増やしつつあるSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)「フェイスブック」だが、米フェイスブックが29日に2015年4~6月期(第2四半期)の決算を発表。それによれば、売上高は前年同期比39%アップの40億4200万ドル(約5000億円)であり、純利益は前年同期比9%ダウンの7億1900万ドルという結果であった。スマートフォン(多機能携帯電話)向けのモバイル広告や動画広告が好調に推移したものの、研究開発費用などが膨らんだことにより利益を圧迫し、増収減益となった。売上高は四半期ベースで過去最高を更新した。

 スマートフォン向けのモバイル広告、動画広告が利益を拡大させていることから、スマートフォンにより「フェイスブック」を利用する人の数が増えていることがわかる。6月末時点の月間利用者数は14億9000万人で、前年よりも13%アップしている。そしてスマートフォンやタブレット端末などのモバイル端末経由の利用者数は前年よりも23%アップして13億1400万人となっている。その結果、広告収入に占めるモバイル広告の割合は約76%と、1~3月期の73%、そして前年同期の62%から拡大した。さらには同社傘下の写真共有アプリ「インスタグラム」において、月間利用者数が7億人を達成したことも明らかにされている。

 ただし、そうして利用者数の増加により順調に売上高を伸ばし、四半期としては過去最高を更新した一方、純利益は減益となっている。米フェイスブックは今年の4月に、人材採用、データセンターなどへの設備投資、そして仮想現実(VR)や太陽光利用のドローン(小型無人機)、人工知能などの新分野への投資を理由に経費が最大65%増加するとの見通しを示していた。その結果、4~6月期の費用は82%増加。営業利益率も31%と、前年同期の48%からダウンした。

 こうして費用増加により利益を圧迫したものの、同社が好調に業績を伸ばしていることは間違いない。SNS最大手の躍進は、今後もまだまだ続きそうだ。(編集担当:滝川幸平)