中谷元防衛大臣は19日の参院安保特別委員会で、今月11日の参院安保特別委員会で日本共産党の小池晃議員が暴露した自衛隊統合幕僚監部の内部資料について、安保法案の閣議決定翌日に自身が指示し、これを受けて統幕が作成したものだと認めた。また、情報管理の在り方に問題があることも認めた。
問題となっている内部資料には安保法案の8月成立、来年2月からの施行、新法制に基づく南スーダンへのPKO活動での運用などの日程までが書き込まれていた。この問題で、11日、資料の真偽をめぐって委員会が流会。中谷防衛大臣は19日の委員会冒頭に流会を招いたことを陳謝した。
そのうえで中谷防衛大臣は「日米ガイドラインの指針、および安保法案について内容を丁寧に説明し、法案成立後に具体化していくべき検討課題をあらかじめ整理をし、内部部局と調整しながら作成した資料である」と釈明。
中谷防衛大臣は「5月14日の法案の閣議決定を機に、翌15日に私から監部に法案の内容の分析につとめるとともに隊員に対し周知するよう指示した。私の指示をふまえて5月下旬に作成したもの」と認めた。
そのうえで「統合幕僚監部として当然に必要な分析、研究を行ったもので、(8月成立などは)作業スケジュールのイメージ化を図ったもの」と苦しい答弁を行った。一方で、「外部に資料が流出したことは極めて遺憾だ」と情報管理のあり方については問題を認めた。
民主党の枝野幸男幹事長は19日の記者会見で中谷防衛大臣の答弁は「かなり無理な言い逃れだ」と問題視した。
枝野幹事長は「内部資料には安保法案の8月成立、来年2月からの新法制に基づくPKO運用など、あらかじめ準備・研究するというレベルを超え、国会が決定した後でなければできないことが明記されている。これは国会軽視であり、制服組の暴走と言わざるを得ない」と改めて重大問題とした。(編集担当:森高龍二)