生活の党の山本太郎共同代表は19日の参院安保特別委員会で「集団的自衛権を認める憲法解釈変更の閣議決定の2週間後に、安倍晋三総理はリチャード・アーミテージ元米国務副長官、ジョセフ・ナイ・ハーバード大学特別功労教授(国際政治学者)と握手している。この2人が提言した政策が日本国の政策にそのまま反映されている」と指摘。岸田文雄外相、中谷元防衛相ともに、結果的に重なっているが、安保法案は主体的に作ったものと強調したが、安全保障政策だけでなく、原発、TPP含めほぼ一致していることは否定できない。
山本共同代表は、いわゆる「アーミテージ・ナイ・レポート」を取り上げた。ここでの日本への提言9項目やその他の項目を指摘した。
山本共同代表は「集団的自衛権の禁止は同盟にとって障害だと書かれている。提言1では原発再稼働を求めている。安倍総理は安全性無視で実行した。提言3、TPP交渉参加。安倍政権は総選挙の公約を堂々と破り、これを実行している真最中だ。提言8、日米間あるいは日本が保有する国家機密の保全。特定秘密保護法そのままだ。そのほかの12、日本の防衛産業に技術の輸出を働きかけるよう。防衛装備移転3原則で実現している」などなどを列挙した。
これに対し、岸田外務大臣は「これはあくまで民間の報告書であり、政府の立場からのコメントは控えなければならないと思う。が、ご指摘の新ガイドライン、安保法案は報告書を念頭に作成したものではない。あくまで、我が国の国民の命や暮らしを守るための自主的な取り組みの結果だ」とし、アーミテージ・ナイ・レポートの内容とこれが偶然重なったといいたげな答弁をした。しかし、そのまま、重ね合わせられる政策展開だけに、岸田外相の答弁に説得力はまったくなかった。
中谷防衛大臣は「安保法制はあくまで主体的に作っているもので、レポートを念頭に作成したものではない」と否定した。が、狼狽気味の答弁だった。中谷防衛大臣は「結果として、(政策・法案とレポートが)重なっている部分がある」と否定しなかった。
山本議員は「民間のシンクタンクの方が何度も来られて、随分、懇意だね。しかも、結果、重なっている部分があるというが、ほとんど重なっているじゃないか。そっくり、そのままだ」と追及し、アメリカの言いなりだと政府の政策を問題視した。(編集担当:森高龍二)