安保法案について、安倍晋三総理が衆院本会議で国会、国民に説明していたその日に、防衛省制服組幹部約350人が勢ぞろいし、8月成立、来年2月の法施行のスケジュールで、統合幕僚監部から、法案成立後の後方支援、PKO活動での駆けつけ警護などの説明を受けていたことが19日の参院安保特別委員会で明るみになった。日本共産党の小池晃参院議員の質問で分かった。
この日、小池議員は今月11日の委員会で暴露した自衛隊統合幕僚監部の内部資料が中谷元防衛大臣の指示で5月下旬に作成されたものであることを中谷防衛大臣が認めたことを受け、この内部文書がいつ、どのような場所で使われたかと質した。
中谷防衛大臣は「5月26日に防衛省の統合幕僚監部で行われた陸・海・空の高級指揮官を対象としたTV会議で使用。日米ガイドライン、安保法制を説明するのに使った」と答弁した。この会議には約350人が参加したという。
また「5月25日、私は事務次官、統幕長との3人で会議を行ったが、幕僚長から『翌日に、全国の陸・海・空の指揮官に対して法案の説明を行う』との説明を受けていたが、説明を受けた際には、内部資料は見ていない」と答弁した。
これに対し、小池議員は「5月26日は衆院本会議で安保法案の審議が始まった日。安倍総理が国会と国民に対し、初めて法案を説明した日に、自衛隊の制服組の幹部が勢ぞろい。しかも、今に至るまで国会に報告されていないような内容も含めて詳細に報告されていた。大臣は安保法案については国会で審議し、法案が通ってから検討を始めるべきだと答弁していたが、法案の閣議決定翌日に指示していた」などをとりあげ「大臣の答弁と内部資料には明らかな矛盾がある」と改めて重大視した。(編集担当:森高龍二)