盗聴問題調査し報告を 首脳電話会談で総理要請

2015年08月27日 05:53

 菅義偉官房長官は26日の記者会見で、安倍晋三総理とオバマ米大統領が同日朝、電話会談し、安倍総理は日米の信頼関係の維持・強化のうえで、米国の国家安全保障局による日本の要人などへの通信記録の収集問題に関し、調査し、結果を日本側に説明するよう求めたことを明らかにした。

オバマ大統領は「2014年の大統領令を踏まえ、然るべき措置を取っており、現在米国政府として日米間の信頼関係を損なう行動は行っていない趣旨の説明があった」という。

 安倍総理は「仮に日本の関係者が対象になっていたことが事実であれば、同盟国間の信頼関係を揺るがしかねないものであって、深刻な懸念を表明せざるを得ない旨述べ、調査の結果を日本側に説明するよう求めた」という。

 この問題は民主党政権時代に米国の国家安全保障局が経済産業大臣の電話など日本政府要人や商社の電話を盗聴していたと内部告発サイト「ウイキリークス」が資料を発表したもので、2014年以前について盗聴されていた可能性が高い。

 生活の党の山本太郎代表は19日の参院安保特別委員会で、この問題について「アメリカは同盟国であるはずの日本政府の各部署、大企業などを盗聴し、ファイブ・アイズと呼ばれるイギリス、カナダ、ニュージーランド、オーストラリアなどとその盗聴内容をシェアしていたと(いう)。もう間抜けとしか言いようがない」と盗聴されていたのに、米国のリクエストにこたえるための安保法案を出していると政府の安保政策を問題だと指摘していた。安倍総理の要請に応えて米国が調査するのかどうかも含め、結果報告が注視される。(編集担当:森高龍二)