丸紅グループ、米国の中古機解体会社を買収し航空機用部品事業に参入

2012年06月15日 11:00

 丸紅及び丸紅米国会社(丸紅グループ)が、米国大手航空機用部品事業者であるMagellan社の出資持分50%を取得することにつき、同社経営陣及び既存出資者と合意したと発表した。

 Magellan社および傘下の事業会社は、中古機を購入・解体して得たエンジンや部品を必要に応じて修理した上で、航空当局の認定部品として販売する事業、エンジンを含む航空機用部品のリース事業、消耗部品等の販売事業を実施。一方の丸紅グループは民間航空業界において、旅客機・ビジネスジェット機・航空機用エンジンの販売代理店、航空機関連機材の開発投資や航空機オペレーティングリース、エンジンリース事業、空港グランドハンドリング業務等の提供を行っていた。今回の買収により中古機解体・部品販売事業に参入することで、航空業界におけるバリューチェーンの確立を目指す。

 航空市場は、新興国市場での旅客・貨物量の増大に伴う需要の伸びや、先進国での既存老朽機の更新期の到来、LCCなど新規航空会社の参入により今後も拡大が見込まれており、航空機整備に必要となる部品に対する需要も増加傾向にある。日本政策金融公庫総合研究所の調査によると、民間航空機の新造機市場は、今後20年間で約3兆5900億ドル増加し、機数ベースでは年平均3.3%の成長を続けるという予測もあるという。また、航空機産業は部品点数が約300万点とも言われ、裾野が広い上に技術的な波及効果も高いことから、これを支える中小企業を含めた部品サプライヤーの他業種からの新規参入も期待が高まっているという。三菱航空機のMRJ、ホンダのホンダジェットなど、国産機の開発プロジェクトも進行しており、今後、国内での航空機産業はますます活発化する注目市場といえるのではないだろうか。