在日ロシア大使館は7日までに大使館HPで「モルグロフ外務次官のインタファックス通信に向けたインタビュー概要」を紹介。対日担当のモルグロフ外務次官が「日本政府との間で『クリル問題(北方領土問題)についての』対話は一切行っていません」とインタビューに答えていた。
そのうえで「この問題は70年前に解決しています。南クリル諸島は第二次世界大戦の結果、合法的にわが国のものとなりました」と北方領土はロシア領土で「ロシアがこの地域について主権・管轄権を有することは疑いようがありません」と答えていることが分かった。
モルグロフ外務次官は「日本がこの客観的歴史的現実を受け入れようとしないのは残念」と発信している。
インタビューの質問は「日本政府がメドヴェージェフ首相の択捉島訪問について不満を表明したのに続き、日本の安倍首相は北方領土の帰属の問題を解決し、平和条約を締結することが重要であると述べた。高官級会談や首脳会談を含め、日本政府とのクリル問題に関する対話を現状でどのように継続していくのか、ロシア政府の考えをお聞かせください」との質問に答えたもので、「客観的な歴史的現実を受け入れようとしないのは残念」としている。
また、日ロ平和条約締結問題については「2014年1月に外務次官級協議が再開されたが、その後、現在に至るまで新たな協議は行われていない」とし、その理由については「ウクライナ危機で欧米の対ロ制裁政策に加わり、ロシアとの間で多くの対話フォーマットを中止した日本側のイニシアチブによるものだ」と日本側に責任があるとしている。そのうえで「平和条約交渉を建設的に継続する用意がある」とした。
ロシアが、北方領土に、こうした見解を発信したことや、ロシア政府要人が択捉島などに最近、相次いで訪問している状況から、日本政府は難しい舵取りを迫られている。(編集担当:森高龍二)