国益に資するよう粘り強く日ロ関係進める 総理

2015年08月24日 12:16

 安倍晋三総理は24日の参院予算委員会で、ロシアのメドヴェージェフ首相が北方四島のひとつ、択捉(エトロフ)島を訪ねたことの受け止めを聞かれ「択捉島を訪問したことは日本政府の立場と相容れず、日本国民の感情を傷つけるもので、極めて遺憾」と語った。

 自民党の岡田直樹議員の質問に答えた。安倍総理は、対ロシア外交に対する姿勢について質され「我が国の国益にとって重要なことは北方領土の帰属問題を解決し、日ロ平和条約を締結すること」と答え「(政治対話を行うという)両国首脳の一致した通り、両国間の問題の解決に向けて、両国間で精力的に交渉をすすめていく必要がある」と領土問題を解決し、平和条約締結を目指す姿勢に変更はないと改めて強調した。

 安倍総理は「プーチン大統領との対話を継続しつつ、我が国の国益に資するよう日ロ関係を進める中で粘り強くロシアとの交渉を進めていく」と語った。岡田議員は「持続的に粘り強く対話への糸口を探っていただきたい」と要望した。

 ロシア側は北方四島(ロシアの呼び名では南クリル諸島)への閣僚、首相の訪問について「私たちは政府閣僚の実務日程作成にあたり、日本政府の立場を考慮する考えはない」との姿勢で、実効支配を強化する格好になっている。(編集担当:森高龍二)