中谷元防衛大臣は9日の参院安保特別委員会で、日本共産党の仁比聡平参院議員が2日の同委員会で「統幕長訪米時の会談結果概要」(昨年12月)を示し「統幕長が昨年の米軍中枢との会談で『(安保法制について)来年夏までには終了する』と発言していたとする問題をとりあげ「統幕長の発言が事実なら、憲法と国民に対するクーデターだ。防衛大臣は統幕長を罷免すべきではないか」と質した社会民主党の福島みずほ副党首に答え「資料確認をしたが、当該資料と同一のものの存在が確認できなかった」などとした。
福島副党首は「来年夏までに終了するということは言っているんでしょ」と発言の事実について確認をしたが、これに答えず「資料そのものの存在確認ができなかった」と繰り返し、発言の事実関係については回避した。
福島副党首は中谷大臣の答弁を受けて「では、(防衛省が保有している資料の中に)そうした発言はないのか」と質した。中谷大臣は「委員会で(仁比議員に)提示された資料には(来年夏までには終了するとの発言は)あるが、その資料の存在を確認したが、存在を確認できなかった」とはぐらかせた。
福島副党首は「(防衛省が持っている資料を)出すよう理事会で図ってください。共産党が入手した資料と違うものだというわけなので、統幕長が昨年、米軍中枢とどのようなやり取りをしたのか、防衛省の持っている資料を出してもらってください」と鴻池祥肇委員長に要請。鴻池委員長は「その件はただ今、理事会で協議している」と協議中と説明した。
統幕長の発言については民主党の枝野幸男幹事長ら複数の野党からも「発言が事実なら罷免に値する」と追及の声があがっており、理事会の対応が注視される。(編集担当:森高龍二)