ベトナムはアジア諸国の中で比較的家電普及率が低い。日本貿易振興機構の調査によると、エアコンの世帯普及率は10.8%(2013年)、冷蔵庫は53.9%、洗濯機は23.6%と、中国やタイの半分以下にとどまっている。
ベトナムは、アジア諸国の中で、比較的家電普及率が低い。日本貿易振興機構の調査によると、エアコンの世帯普及率は10.8%(2013年)、冷蔵庫は53.9%、洗濯機は23.6%と、中国やタイの半分以下にとどまっている。
ただ、14年の国民1人当たりの国内総生産(GDP)は2053ドル(約25万円)に拡大し、家電普及率の伸びは08年比で約2倍となっている。現在ベトナムの家電小売市場は約6500億円で、市場の急成長が見込まれている。この有望市場を狙って、いまベトナムでは大型家電量販店の出店ラッシュが続いている。異業種からの参入も増えており、3月には不動産最大手のビングループが参入した。
こうした急増する家電ニーズを見込み、家電量販店のノジマ<7419>はベトナムに進出した。
同社は10月下旬にハノイにあるイオンの商業施設に1号店を開設する。発光ダイオード照明を採用するなど、日本の店舗と同様の設計とし、冷蔵庫など日本製品を主体に品ぞろえする。ノジマのプライベートブランドである「エルソニック」も扱う。
ノジマのパートナーは、ベトナム北部を中心に15店を展開する家電量販店「チャンアインデジタルワールド」。02年に設立されたチャンアインの売上高は約1兆6900億ドン(約80億円、12年12月期)に達している。
ノジマは、すでに6月にチャンアインへの出資比率を約31%に増やしていた。今後、チャンアインに役員を派遣し、物流や情報システムの整備など、多店舗経営のノウハウも提供していく。ノジマとしては、ベトナムでの事業を東南アジア展開に向けた足がかりとする。
一方、1月には、タイの小売り大手セントラル・グループが、ベトナムで約20店を展開する家電量販店グエンキムの株式の49%を取得している。
ノジマの進出によって、ベトナムの家電量販店の競争がますます激しさを増しそうだ。(編集担当:久保田雄城)