消費税10%と同時導入へ与党協議に臨む 公明

2015年09月27日 14:59

 公明党は消費税10%の痛税感軽減策に、財務省案は軽減税率制度と乖離する制度だとして、党として受け入れられないことを自民・公明の与党税制協議会・制度検討委員会で明確にしていたが、その旨を27日の党機関紙で伝えた。

 あわせて、軽減税率(複数税率を基本とする制度)を検討するよう主張したことも伝えている。

 一方、痛税感の軽減策とともに「制度導入時期」についても、自公の税調担当者間で認識に乖離がみられている問題で、公明党は機関紙で「与党は14年衆院選で国民に公約した連立与党重点政策や15年度税制改正大綱で、軽減税率について税率10%時に導入する、17年度からの導入をめざすと明記している。25日の与党党首会談で安倍晋三首相と公明党の山口那津男代表は税制改正大綱に沿って与党間での協議を進めていくことで一致した」と報じた。

 ただ「10%時に導入」が同時導入(17年4月1日)を意味しているのか、「17年度から導入」が17年度中(17年4月1日から18年3月31日)の導入であれば、公約を果たしたことになるのか、自民、公明の間で、当初から導入期日を「何月何日」と規定しないまま、互いに都合よく解釈し、詰めを先送りしてきた感があり、ここにきて、自公調整が必要な状況になっている。

 公明党は17年4月1日実施と選挙でも明言してきた経緯もあり、導入時期については政権与党の公約として譲れないものになっている。安保法案成立への協力も踏まえ、自民に歩み寄りを迫るもよう。公明党機関紙は「消費税率10%への引き上げと同時に導入できるよう、引き続き与党税制協議会・制度検討委員会での議論に臨んでいきます」としている。

 ただ、選挙で「消費税引き上げと同時に軽減税率を導入する」と訴えていたところを、断言でなく、「出来るよう、議論に臨んでいく」としているところに後退感があり、懸念される。(編集担当:森高龍二)