8月のスーパー売上高、23年ぶりに5ヶ月連続増

2015年09月25日 08:47

 円安の影響により食品の価格が値上がりしていることや、猛暑日が続いたことなどの影響により、8月の全国のスーパー売上高が5ヶ月連続で前年同月を上回った。こうして5ヶ月連続で前年を上回るのは、23年ぶりのこととなる。先日、訪日外国人旅行者増加の影響により、8月の全国百貨店売上高の既存店ベースが5ヶ月ぶりに前年を上回ったことが報じられたが、2014年4月に実施された消費税増税の影響も一服し、小売り・流通業界に復調の兆しがみられ始めてる。

 24日、日本チェーンストア協会が8月の全国スーパー売上高を発表。それによれば、8月の売上高は店舗調整後で前年同月比2.0%アップの1兆1283億円と、5ヶ月連続で前年の実績を上回った。こうして5ヶ月連続で前年実績を上回るのは、1992年以来23年ぶりのこととなる。前月比では1.2%アップという結果であった。8月の前半には猛暑日が続き夏向けの衣料品が伸びたほか、食料品や住関連品も好調に推移した。調査対象は全国に12店舗以上を持つ協会会員企業59社、9392店舗。

 部門別に見てみると、食料品が前年同月比2.7%アップの7428億円で、前月比は4.1%アップという結果であった。衣料品は前年同月比3.9%アップの922億円、前月比は9.1%ダウンであった。住関連品は前年同月比1.7%アップの2254億円で、前月比は2.6%ダウンであった。また住関連品のうち、「家電製品」は前年同月比4.4%アップの189億円という結果であった。

 8月前半に猛暑日が続いたことが影響して、夏向けのスーツや浴衣、日傘、肌着などが売り上げを伸ばした。また食料品では、農産品が前年同月比6.9%アップ、惣菜が前年同月比7.1%アップと大きく伸長した。日本チェーンストア協会は9月の売上高について、9月前半の天候不順やシルバーウイークの動きが気になるものの、おおむね平年並みで推移するのではないかとの見方を示している。そして92年以来23年ぶりの5ヶ月連続でのプラスという結果については、日常の消費は脆弱さを抱えながらも回復傾向がみられるとの見方を示している。(編集担当:滝川幸平)