社会民主党の又市征治幹事長はTPP交渉の大筋合意について「聖域とされた農産物重要5項目のうち、牛肉・豚肉の関税を大幅に削減するとともに、コメは米豪両国に対し無関税の輸入特別枠を新設し、乳製品も大規模な低関税輸入枠を設定するなど、譲歩に譲歩を重ねた合意ありきの安易かつ拙速な妥協となった」と強く批判した。
また「国内農家への打撃は大きく、農業と農村の崩壊を進め、食料の安全・安定供給を脅かしかねない」とし「今回の日本政府の前のめりの所行は断じて容認できない」考えを示した。
そのうえで「今回の関税大幅引き下げや特別枠の新設は重要5項目について関税堅持を求めた衆参農林水産委員会の決議に反することが明白で、安倍首相は関税撤廃の例外を確保できたと強弁したが全くの茶番」と非難した。
また「交渉は徹底した秘密主義で行われ、交渉内容や過程の文書が今に至るも一切明らかにされていない。国民に秘密のまま交渉を妥結し、結論のみを押しつけようとしている。真摯に情報提供と説明責任を果たすべき」と情報提供と説明責任を果たすよう求めている。
さらに又市幹事長は「過去の貿易協定においても米国は合意成立後、サーティフィケーション(承認手続き)過程で相手国の国内法や社会制度、商習慣などが協定に相応しくないと判断すれば、協定承認を盾に米国の要求に沿うよう変更を求めてきた経緯がある。TPPでも日本が同様の理不尽な要求を受ける懸念は拭いきれない」と警戒感も示した。(編集担当:森高龍二)