国益と経済主権を米国に売り渡すものと志位氏

2015年10月07日 10:01

 日本共産党の志位和夫委員長はTPPでの大筋合意をうけて、「大筋合意の内容は地域経済・雇用、農業、医療・保険、食品安全、知的財産権など国民の生活・営業に密接にかかわる分野で日本の国民の利益と経済主権をアメリカや多国籍企業に売り渡すものであり、断じて容認できない」と酷評した。

 志位委員長は「安倍政権は早期妥結を最優先しアメリカへの譲歩を繰り返した」と批判。「コメではアメリカやオーストラリアに特別枠を設定して輸入を大幅に増やす、酪農製品の輸入拡大のための輸入枠を設定する、牛肉・豚肉の関税を大幅に引き下げ・廃止するなどとされている」とし「どれをとっても、重要品目の聖域は守るとした公約を安倍政権が公然と投げ捨てたことになる」と指摘した。

 志位委員長は自動車の関税についてとりあげ「日本は無税であるのに、アメリカは今回の合意でも関税撤廃の時期をTPPの関税交渉の中で最も遅くするとしている」とこの面でも日本の譲歩が示されているとしている。

 志位委員長は「国民の食と安全を脅かし、日本経済とくらしに深刻な影響を及ぼす大筋合意の内容とアメリカに大幅譲歩を繰り返した交渉の実態が明らかになれば、国民のより大きな反対世論がわき起こらざるを得ない」との見方を示した。(編集担当:森高龍二)