国民益踏まえ国会で合意内容徹底追及 生活の党

2015年10月07日 09:47

 TPP交渉で大筋合意したことを受け、生活の党の玉城デニー幹事長は「今回妥結したTPPは単なる関税引き下げ、自由貿易などでなく、いわゆる米国のルールを日本社会に適用しようとするもの。直接的に農林水産業に壊滅的な影響を与え、社会保障や食の安全、雇用、企業活動などについても多大なる影響を与える」との談話を発表した。

 談話では「他国の良い制度は当然導入してもよいが、国民皆保険制度などの日本固有の仕組み、特に国民のセーフティーネット的な役割を果たしている制度まで米国ルールに無理に合わせていくことが望ましいとは全く思わない。国民益を踏まえ国会の場で合意内容について徹底的に追及していく」としている。

 生活の党は取り組みとしては、各国とのFTA(自由貿易協定)を推進することを主張している。

 安倍晋三総理は6日の記者会見で「我が国の国民皆保険制度は今後も堅持する。食の安全・安心にかかる基準もしっかりと守られる。正当な規制を行うに当たって我が国の主権は全く損なわれることはない。投資家と国との紛争処理に関して、そのことを確認する規定を盛り込んだ」と強調。

 また、総理は農産物について「米、麦、さとうきび、てんさい、牛肉・豚肉、乳製品。日本の農業を長らく支えてきたこれらの重要品目については最後の最後までぎりぎりの交渉を続け、これらについて、関税撤廃の例外をしっかりと確保することができた。これらの農産品の輸入が万一急に増えた場合には緊急的に輸入を制限することができる新しいセーフガード措置を更に設けることも認められた」と語った。

 一方で、国内農業界の不安に対し「全ての大臣をメンバーとする『TPP総合対策本部』を設置し、政府全体で責任を持って、できる限りの総合的な対策を実施していく」と農業への影響を踏まえた万全の対策の必要性を浮き彫りにしている。具体的にどのような影響が生じるのか、可能性も含め、国会の場で明らかにされることが期待される。(編集担当:森高龍二)