バブル経済崩壊後、ゴルフ人口が減少を続けている。レジャーが多様化するとともに、接待ゴルフなどの減少も、ゴルフ離れに拍車をかけているようだ。国内のゴルフ産業に未来はあるのだろうか。
日本生産性本部「レジャー白書」によると、ゴルフ関連の市場規模の推移は、ゴルフ(コース)は2008年が1兆550億円で12年は9110億円、ゴルフ練習場は08年が1580億円で12年は1340億円、ゴルフ用品は08年が4,000億円で12年は3370億円。市場規模の合計は08年が1兆6130億円、12年は1兆3820億円で、全体で2310億円の減少。
また、日本ゴルフ場事業協会によると、ゴルフ場数は08年度が2442カ所で12年度は2405カ所。その延利用者数は08年度が9078万人で12年度は8674万人だ。 ゴルフ関連市場は、人数、規模ともに縮小している。
「10年後、ゴルフ業界の市場規模を2兆円に引き上げる」そんな提言が、今年発表された。日本プロゴルフ協会、日本ゴルフ場経営者協会、全日本ゴルフ練習場連盟の3団体によるものだ。近時、約1兆4000億円のゴルフ市場の規模を6000億円上積みしようというもの。この業界を何とかしない訳にはいかないという熱い思いが伝わってくる。
近年、ゴルフをしない人口の割合は日本全体で93%であるが、この中に「大きな市場がある」という見方で、ここに「2000万人の潜在需要」があるという。
昭和の時代に国を挙げて多額の資金を投入してきたのがゴルフ産業である。そのゴルフ産業が今、「2015年問題」などと言われ、危機に立たされている。国を挙げて取り組んできたのであれば、その再生に向けて、また国を挙げて取り組むというのも選択肢のひとつだ。
宮里藍選手、石川遼選手や松山英樹選手など、女性や若手のプロゴルファーの活躍や、ゴルフが16年に開催されるリオデジャネイロ五輪の正式種目に採用されたことなどから、業界にとって今はチャンスの時期である。
ゴルフ産業は、ゴルフ場をはじめとして経営資源は豊富である。この業界が再生するか否かはやはり、業界人が再生に向けて真正面から取り組めるかどうかにかかっていると言えよう。(編集担当:久保田雄城)