8月20日、アメリカ・ラスベガスのカジノ大手、MGMリゾーツ・インターナショナルのジェームス・ムーレン会長兼最高経営責任者(CEO)が現地で共同通信の取材に応じ、日本でのカジノ進出を検討していることを明らかにした。ムーレン氏はすでに東京築地市場跡地や横浜、大阪など、日本各地の候補地に足を運んでいる。日本のカジノはマカオに次ぐ世界第二の巨大市場になるだろうと述べ、日本には50億~100億ドルを投資するつもりだと意欲を見せている。
MGMは世界22カ所でカジノ・ホテルを運営する巨大グループだ。初代MGMグランド・ホテルは1985年に売却され、93年に新たに設立された。MGMグランドは面積の広さで世界一を誇る一方、広すぎるあまり「駐車場からホテルまでの距離が長すぎる」「フロントから部屋に辿りつくまでが遠すぎる」、「カジノが広すぎて迷子になる」などという指摘も。2005年 3月には Mandalay 社を買収し、マンダレイベイ、ラクソー、エクスカリバー、サーカスサーカス、モンテカルロなどラスベガスのホテルの半分を傘下に収め、世界最大級のカジノ運営会社となった。年間売上高は約90億ドル。日本円にして1兆円にものぼる。
ムーレン氏が今年3月に視察した東京築地市場は、もうひとつの立候補地であるお台場に比べると地価は張るものの3倍の敷地面積が見込める。23万8,000平方メートルという広大な土地ならカジノを含む統合型リゾート施設設置と合わせて、テーマパークなどのレジャー施設も併設することができ、より大規模な集客が見込める。
一方でムーレン氏は7月24日に、大阪府と市がカジノ誘致を目指している此花区「夢洲(ゆめしま)」について、カジノ設置候補地として想定していると発言している。複数の日本企業と提携し、初期投資に必要となる5,000億円を分担する考えを示した。提携先としては製造業や飲食・サービス業、メディアなど10社を超える企業が集まっており、交渉を進めているという。東の築地、西の夢洲。カジノをめぐってMGMの今後の動きが注目される。(編集担当:久保田雄城)