これからは「中高年」ではなく「新大人」?

2015年11月08日 12:36

 「50~60代」といえば、中年期、老年期といわれ、どちらかと言えばリタイアして落ち着いたイメージだった。が、一部でそれも変わりつつあるようだ。博報堂が、1都3県と中小都市の40~60代男女2700人にアンケート調査を実施したところ、将来「お金をかけたいコト、モノ」については、「貯蓄・投資運用」「健康管理・病気予防」に重きを置きながらも、レジャーにもお金をかけたい人が多いことがわかった。

 「自身の趣味」は、1位が「パソコン・インターネット」、2位が「エンタテインメント(映画・演劇・コンサート・美術)」、3位「グルメ」。50代半ばの「ハナコ世代」は、若いOLのときに「食べ歩き」や映画鑑賞などのエンタテイメントに親しんだ。60代の団塊世代から40代のバブル世代まで、若い時にエンジョイした趣味を続ける人が多いと考えられる。

 調査は2015年3月、ウェブアンケートで実施。ネットを通した調査なので、趣味の1位が「パソコン・インターネット」になるのは当然とも解釈できるが、特に男性60代が「63.6%」と抜きん出ている。

 かつて50~60代といえば、会社でも、子どもが独立した家庭でも、リタイア感が強くなる世代だと思われていた。しかし調査の結果、40~60代の88.2%は「これから自分なりのライフスタイルを創っていきたい」と思っていることが判明。特に女性はいずれの年代でも9割を超えており、「自分なりのライフスタイル創造志向」が強いようだ。子育てが終わる時期になり、「これからは好きなことをして、自由に生きていきたい」と感じる女性が増えるのだろう。

 誰とライフスタイルを創るのかについて、男性は「配偶者と創りたい」が40代43.4%、50代42.2%、60代39.8%と女性に比べ高い結果になった。これに対して、女性は「夫に先立だれる」という意識があるためか、それとも夫への愛情が薄れるためか、年齢が高くなるにつれ「自分ひとりで創って行きたい」が、40代21.7%、50代23.8%、60代29.2%と、男性に比べて高くなる。夫の「片思い」ともいえそうだ。しかし、男女ともに「配偶者とも創りたいが自分ひとりのスタイルも創りたい」が最も高く、基本的には、子育てを終えた後に「夫婦2人で新しい大人のライフスタイルを創りたい」という思いが浮かび上がってくる。博報堂は、こうした40~60代を「新しい大人世代」と呼び、マーケティングを続ける意向だ。(編集担当:北条かや)