紫外線の季節がやってくる。気象庁の観測によると、一年の内で最も紫外線量が多いのは7月・8月だが、肌の健康や美容に限っていえば、注意すべきは真夏前。5月から6月にかけての時期だという。
ひとくちに紫外線といっても、その波長の長さによって、A波(UV-A)、B波(UV-B)、C波(UV-C)の3種類に分けられる。ただし、UV-Cはオゾン層に阻まれ、地上に届くことはないので、一般的に紫外線といわれるのはUV-AとUV-Bになる。とくにUV-A領域の紫外線は、オゾン層での吸収がほとんどなく、地表に届く紫外線の約9割を占めるといわれている。UV-Aは肌の表皮を通り抜けて真皮にまで到達し、皮膚の細胞に遺伝子レベルのダメージを与えてしまう。肌のハリや弾力に必要なコラーゲン線維とエラスチン線維を切断してしまうので、シワやたるみの原因となる。これがいわゆる「光老化」だ。厄介なことに、UV-Aは波長が長いために窓ガラスやカーテンも通り抜ける。つまり、室内にいても外光の入る場所ではUV-Aの影響から逃れられないということだ。
そして、このUV-Aが最も多いのが5月といわれている。そのため、最近では紫外線対策市場は3月、4月頃から賑やかになってくるのだ。
そんな中、百貨店の高島屋<8233>が同社の通販サイトで興味深いギフトを展開している。スイスの歴史ある刺しゅうメーカー、Forster Willi社の生地を使用した高級感溢れる日傘をはじめ、UV加工を施した帽子やストールなどを「母の日UV対策ギフト」として販売、中には「母の日お届け専用」の商品もあり、プレミア感もある。
日傘や帽子などがUVカット仕様になっているのは、今や当り前のようになっているものの、近頃は若い世代だけでなく、40代以降の中高年世代で、エイジング対策としてUV-Aを防ぐ商品への関心が高まっていることもあり、タイミング的にもアピール度は大きいのではないだろうか。
同じように、40代以降の女性をターゲットにしたUV対策商品では、ロート製薬<4527>の「50の恵 朝の紫外線対策クリーム」などがある。同商品は、同社が年齢による悩みを感じる女性を対象に展開している「50の恵」ブランドの最新ラインナップとして3月10日に新発売されたもので、本品1つで「美容液」「クリーム」「パック」「化粧下地」「日やけ止め」の5つの機能を持つ、SPF50+、PA++++の朝用スキンケアクリームだ。同社の調査によると40~60代女性の約8割が顔にUV対策商品を使用しており、また彼女らがUV対策商品に求めることの第一位は、高い日やけ止め効果をもつ「SPF50」だということがわかった。また、「50の恵」ブランドらしく、3種のコラーゲンをはじめ、ヒアルロン酸、CoQ10など50種類ものうるおい成分を配合し、高保湿力も特長の一つとなっている。
シミやたるみなどの美肌対策も大事だが、UV対策は肌の健康維持にも欠かせない。大量に浴びると免疫力の低下を招き、UV-Bは皮膚ガンや白内障の原因にもなる。本格的な紫外線シーズン到来の前に、早めの対策を心掛けたいものだ。(編集担当:石井絢子)