15年の動画広告市場は「506億円」、前年比160%伸びる

2015年11月08日 19:52

 インターネットを通して配信される動画広告の市場が伸びている。サイバーエージェントの「オンラインビデオ総研」が、シード・プランニング デジタルインファクトと共同で調査を行ったところ、15年の動画広告市場は、昨年対比約160%の506億円。引き続き続き高い成長を続ける見込みで、スマートフォン向けが動画広告全体の46%に達している、16年には「スマホ向け動画広告」が過半数を占めるとみる。

 中長期的な推移からも、動画広告の需要拡大は確実のようだ。17年には動画広告が1093億円に達することが予想され、20年には現在の約4倍、2009億円に達すると見込む。スマートフォン向けの需要は、うち57 %を占めると予想されている。

 スマートフォンによるユーザーの動画視聴時間は引き続き増加傾向。特に若年層で顕著だ。10代のスマートフォンによる動画接触率はパソコンを上回り、テレビと同水準に近づきつつある(サイバーエージェント「国内動画メディアの接触率調査」2015年8月)。テレビCMを出稿する企業は、若年層とのコミュニケーション手段として、スマートフォン向け動画広告の活用を検討せざるを得なくなった。テレビCMとの「併用ニーズ」も高まりつつある。

 15年の動きをみると、YouTubeなどのインストリーム広告が全体の約7割を占め、20年までその比率は変わらない見込みだ。一方、FacebookやTwitterなどのソーシャルメディアにおけるインフィード広告の成長は著しい。15年は昨年対比で、なんと331%の53億円に到達している。16年には188%成長の100億円規模になると予測されている。

 スマホの普及とともに、ユーザーの動画コンテンツの視聴対象は動画配信サイトだけでなく、SNSやニュースアプリなどへと広がった。動画広告商品の需要はインストリーム広告が主流となる一方で、インフィード広告の比率も拡大していくだろう。調査したサイバーエージェントでは今後、「ユーザーのスマートフォン利用態度を調査・分類し、その行動に合わせた動画広告の配信設計とクリエイティブの開発、細かい広告運用の最適化が必要になる」とコメントしている。(編集担当:北条かや)