ムーディーズがイー・アクセスを格上げ、今後はソフトバンク次第

2013年01月24日 09:03

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ソフトバンクの完全子会社となることに伴い、昨年12月26日付で東京証券取引所への上場を廃止したイー・アクセス。そのイー・アクセスにつき、ムーディーズ・ジャパンが格付けを格上げすると発表した。

  ソフトバンク<9984>の完全子会社となることに伴い、昨年12月26日付で東京証券取引所への上場を廃止したイー・アクセス。そのイー・アクセスにつき、ムーディーズ・ジャパンが格付けを格上げすると発表した。なお、格付け見通しは検討中としている。

  今回の格上げは、イー・アクセスがソフトバンクグループの主要子会社となることに伴うプラスの効果とそのサポートを反映したもので、具体的には、シニア無担保債務格付をBa3からBa2へと格上げしている、特に、ソフトバンクには現在認可されていない1.7ギガヘルツ帯をイー・アクセスは持つため、これによるシナジー効果が期待されている。

  格付け見通しが検討中となっている要因は、親会社となるソフトバンクが格下げ方向での見直しの対象となっていることである。ソフトバンクの格付け見直しは、同社が200億ドルの負債調達により米スプリント・ネクステルを買収すると発表したことに伴い、昨年10月25日開始。現在も継続中となっている。なお、ソフバンクの現在の格付けはBaa3で、格付の据え置き若しくは格下げといった動向が、そのままイー・アクセスの今後の格付けアクションに反映される可能性が高いとのこと。

  イー・アクセスを完全子会社化することでKDDI<9433>を抜き、国内第2位の携帯通信事業者となったソフトバンク。狙うは一位の座となろうが、現在一位のNTTドコモ<9437>のムーディーズにおける格付けはAa2となっており、ソフトバンクがBaa3でさらに格下げ検討中ということで、信用といった面での差は開きつつある。さらに業績に関しても、現在の売り上げはiPhone頼みといった観が否めず、現在の好調さを維持できるかは不透明と言えるであろう。昨年大きく動いたソフトバンクが、今年、どういった結果を残すのか、注目が集まりそうである。(編集担当:井畑学)