今週の振り返り 日経平均38分で244円下落の急降下も発生

2013年01月26日 18:44

EF2C5966

今週の日経平均は、日銀の金融政策決定会合が失望売りを誘いながらも、金曜日にはきっちり元に戻る

日銀の金融政策決定会合が失望売りを誘いながらも、金曜日にはきっちり元に戻る。

  前週末18日のNYダウはGEやモルガン・スタンレーなどの好決算を受けて53ドル高。21日朝方の為替レートはドル円が90円台前半、ユーロ円が120円台前半で大台をしっかりキープ。日本経済の2013年最初のビッグイベント、日銀の金融政策決定会合1日目を迎えた。

  ところが始値は28.15円高の10941.45円と伸び悩み、直後からマイナス圏に沈んでどんどん切り下がる意外な展開。株価に引きずられるように為替も円高に振れた。10800円台で変動幅の大きい動きが続いたが、午後2時頃から10700円台に下げると持ち直しの兆しすらなく、終値は165.56円安の10747.74円で安値引け。しかし、東証1部全体では877対690で値下がり銘柄よりも値上がり銘柄のほうが多く、TOPIXは-6.28の905.16と900台を維持した。売買高33億円、売買代金1兆7949億円は前週をやや下回る程度で、小型株指数はプラスで個人投資家の商いは活発だった。

 海外機関投資家の利益確定売りが日経平均の下落の主因だったことは、ファーストリテイリング<9983>が840円安で値下がり率5位、ファナック<6954>が580円安で値下がり率2位、さらにソフトバンク<9984>も52円安で、「御三家」が日経平均マイナス寄与度1~3位を占め、合計で63円押し下げたことでわかる。

  業種別では石油・石炭、鉱業、空運、小売の4業種しかプラスにならなかった。下落幅が大きいのは保険、倉庫、食品、銀行、ゴム、証券、機械で、保険の下落は第一生命<8750>の大幅安が効いていた。円高のせいでトヨタ<7203>、マツダ<7261>など自動車株も、シャープ<6753>、東芝<6502>など電機株も、新日鉄住金<5401>など鉄鋼株も軒並み売られ、みずほ<8411>、三菱UFJ<8306> など銀行株も不調だった。ボーイング社が納入を一時停止した787関連は、胴体を作る富士重工<7270>は値下がり率3位、飛行制御装置を作るナブテスコ<6268>は同5位に入った。

  一方、オリコ<8585>は19円高で売買高5位、アイフル<8515>は27円高で売買代金2位と買われている。値上がり率のベストテンには終値100円台の銘柄が6つもランクインし、全面安の中でも個人投資家の低位株トレードがいかに活発だったかを物語る。鉄スクラップ価格の上昇で今期最終赤字が165億円に拡大すると発表した東京製鐵<5423>は、序盤の下げから切り返して30円高になった。

  ソニー<6758>は売買代金1162億円でダントツの1位になり、38円高で一時は8ヵ月ぶりに株価が1200円台を回復し、主力株、輸出関連銘柄総崩れの中で奮闘していた。

  22日朝方の為替レートはドル円が89円台後半、ユーロ円が119円台半ばと大台の少し手前。NY市場は休場。日経平均は17.36円高の10765.10円と小幅高で始まり、その後はおおむね10700円台後半の範囲で静かな値動き。現物も先物も商いが細り、日銀の金融政策決定会合の結果を待つ様子見ムードが強かった。そこへ、「物価目標をめぐる議論が割れている」という麻生財務大臣の発言が伝わると為替は円高に振れ、日経平均は10700円を割り込んだ。その騒ぎも昼休みには沈静化し、後場に日経平均がプラスに戻った12時47分、日銀から結果が伝わりはじめる。

  「資産買入基金が2014年から期限を設けず毎月13兆円の資産買い入れを行う」という追加緩和は事実上のゼロ金利政策の維持とともに全員一致の決定だったが、「2%の物価上昇目標を早期に実現」のほうは賛成7対反対2で、2人の委員が反対していた。

 その後の東京市場はまさに波瀾万丈。後場の日経平均は一時3ケタ高になり10859円まで上がったが、その38分後には10615円まで落ちる乱高下。ドル円もいったん90円の大台に乗せて折り返した。日経平均はマイナス圏で騰落を繰り返しながら徐々に落ち着きを取り戻し、大引けにかけて上げて終値は37.81円安の10709.93円だった。売買代金は2兆円を超え、TOPIXは900台を維持した。為替は円高が進んでいた。

  目が回りそうな大変動の原因は、会合結果への市場の評価が割れて方向感が見失われたため。FRBにならった「無期限追加緩和」を評価して買われる一方で「2014年からでは遅すぎる」と失望売りされるような状況だった。「日銀当座預金付利の引き下げ、撤廃がない」「リスク資産の増枠がない」「物価上昇目標に反対者が2人出た」など、探せばマイナス要素はいろいろ出てくる。大引け後に日銀の白川総裁と麻生大臣、甘利大臣は「共同声明」を公表し、安倍首相に報告した。

 この日の値上がりセクターは上から鉱業、不動産、精密機器、証券、空運、陸運の6業種。金融緩和期待で買われた不動産株はザラ場の乱高下の影響もそれほど受けず、三井不動産<8801>が24円高、三菱地所<8802>が35円高、住友不動産<8830>が45円高と堅調だった。精密機器で非常に好調だったのが44円高のリコー<7752>で、野村HD<8604>など証券も買われていた。

  前日大健闘したソニー は売買代金1位で4日続伸。東芝<6502>とオリンパス<7733>は外資系証券が投資判断を引き上げて順調で、オリンパスは2000円にタッチし123円高だった。シンガポールの企業の買収戦からの撤退を決めたキリンHD<2503>は昨年来高値を更新。そのシンガポール籍の塗料大手から大規模なTOB買い付けを提案された日本ペイント<4612>は、値上がり率8位の81円高で終値は890円と好調だった。

  一方、値下がり幅が大きいセクターは紙パルプ、電力、海運、自動車、鉄鋼など。自動車はホンダ<7267>が80円安と大きく下げた。

  後場の日経平均の上下幅244円の乱気流に巻き込まれたのが、売買代金が2、3、9位に入ったメガバンク株で、三井住友FG<8316>は一時45円高をつけたが終値は45円安。三菱UFJ<8306>は一時10円高をつけたが終値は1円安。終値1円安のみずほ<8411>もプラスの時間帯があった。

  太陽光発電の買取価格が42円から30円台後半に引き下げられるニュースで、サニックス<4651>は値下がり率2位で48円安、高島<8007>は同12位で18円安、ウエストHD<1407>は107円安、フェローテック<6890>は30円安と、震災後にもてはやされた太陽光発電関連銘柄に大幅下落が相次いだ。

  三連休明けのNYダウはデュポンなどの好決算もあり3日続伸して62ドル高。23日朝方の為替レートはドル円88円台後半、ユーロ円118円台前半と円高が進行し、90円、120円の大台が遠のいた。円高の要因は前日の金融政策決定会合の結果への失望感で、特に無期限・無制限の追加緩和を「2014年から」と1年先送りにしたのが評判が悪い。

  日経平均始値は134.33円安の10575.60円で、その後も前場は10600円台、後場はアジア株の軟調で一段下げて10500円台でくすぶる。政府が月例経済報告で景気判断を8ヵ月ぶりに上方修正しても反応せず、大引け直前には10500円も割り込んで222.94円安の10486.99円と安値引け、3日続落で終えた。TOPIXも900を大きく割り込み887.79。24日朝のアップル決算待ち、貿易統計待ちで様子見という事情もあるが、材料出尽くしで利益確定売りが出た。

 業種別騰落率は全業種マイナス。比較的良かったのは空運、情報・通信、食品、電力、陸運などディフェンシブ系で、悪かったのは下から海運、証券、紙パルプ、保険、鉄鋼。輸出関連株は後場に下げ幅を拡大し、トヨタ<7203>は85円安、日産<7201>は24円安、ホンダ<7267>は55円安と、自動車株はさえなかった。電機株はソニー<6758>、パナソニック<6752>は売られたが、シャープ<6753>は3円高。連結営業利益3割減と報じられたTDK<6762>は135円の大幅安で3日続落し、同じアップル関連銘柄の村田製作所<6981>も下げた。ファナック<6954>は250円安で14000円台を割り込み、570円安のファーストリテイリング<9983>、320円安の京セラ<6971>とともに日経平均を45円も押し下げた。

  全面安でも堅調だったのが地方銀行で、千葉銀行<8331>が11円高、横浜銀行<8332>が2円高、ふくおかHD<8354>が6円高。NTTドコモ<9437>、セントラルスポーツ<4801>、キャンドゥ<2698>、モスフードサービス<8153>など、上昇は内需系が多かった。

  一方、京大がヒトiPS細胞から腎臓細胞を作るのに成功し、ナノキャリア<4571>などバイオ関連銘柄にストップ高銘柄が続出したマザーズやジャスダックは活況を呈した。

  NYダウはIBMの好調決算もあり4日続伸して67ドル高。24日朝方の為替レートはドル円88円台半ば、ユーロ円117円後半で円高一服。午前8時50分に出た12月の貿易収支は6ヵ月連続の赤字、通年では過去最高の6兆9273億円の赤字を記録したが、為替の反応は限定的だった。

  日経平均は45.88円安の10441.11円で始まったが、それを底にすぐプラスに浮上した。その後は前日比プラスとマイナスの間で浮いたり沈んだりしたが、午前11時過ぎに海外の機関投資家の先物買いが入って10500円台に浮上。後場は一段高になり一時10600円台に乗せた。その背景は北朝鮮国防委員会が核実験強行声明を出し、地政学的リスクによる「有事のドル買い」で89円台前半までドル高が進んだこと。財務省の中尾武彦財務官の「最近の円安は過度な円高の是正」という発言も円売り材料だった。終値は133.88円高の10620.87円。売買高は32億株、売買代金は1兆8209億円と前日を上回った。1089対470で値上がり銘柄数のほうが上回ったが、TOPIXは900に届かなかった。

  プラスが大きかった業種は証券、鉄鋼、保険、自動車、繊維、医薬品、海運、非鉄金属と幅広く、マイナスの業種は電力・ガス、紙パルプの2業種だけだった。

 後場の日経平均を引き上げたのはファーストリテイリング<9983>、京セラ<6971> 、値上がり率2位に入った大日本住友製薬<4506>で、3銘柄とも3ケタ上昇。自動車取得税廃止、エコカー減税恒久化が好感された自動車株はトヨタ<7203>が90円高、マツダ <7261>は19円高で、ダイハツ<7262>とともに昨年来高値を更新した。

  GEとLNG火力発電で合弁した東芝<6502>は大幅高。愛知県のMRJ新工場に600億円を投資する三菱重工<7011>は3円高。営業利益2割増の決算を発表した丸井G<8252>は19円高と買われた。私鉄も好調で京成<9009>が昨年来高値を更新している。

  電力は、値下がり率ランキング2位に北海道電力<9509>、5位に中国電力<9504>、9位に関西電力<9503>が入り、東京電力<9501>、中部電力<9502>も下落した。円安デメリットがある紙パルプは投資判断引き下げで前日大幅安だった日本製紙G<3893>が26円安で続落した。決算が連結純利益45%減と不振の安川電機<6506>は34円安と大幅に下げ、セブン&アイHD<3382>、リコー<7752>も売られた。バイオ関連人気の裏でネット系がふるわず、DENA<2432>が値下がり率4位になった。ファナック<6954>は4日続落している。

  午前7時に出たアップルの決算は「iPhone」「iPad」の販売が大幅に増えて売上高は18%増で、純利益はほぼ横ばい。市場予測を下回ったため、日本のアップル関連銘柄は前場は揃って下落したが、後場は220円高の村田製作所<6981>のように切り返す銘柄が続出。太陽誘電<6976>、TDK<6762>、フォスター電機<6794>、ミツミ<6767>、シャープ<6753>は全てプラスで終わったが、イビデン<4062>は最後までプラスに浮上できなかった。

  NYダウは46ドル高で5日続伸。25日朝方の為替レートはドル円90円、ユーロ円120円の大台にしっかり乗せた。日経平均は176.43円高の10797.30円で始まり、前場、後場とも10800円台の狭い値幅で高値もみ合いが続いたが、大引け前に先物主導で上昇し終値は305.78円高の10926.65円と高値引け。昨年来高値を更新し11000円の大台乗せを射程圏内にとらえて今週の取引を終えた。要人の発言でドル円が90円台半ば、ユーロ円が121円台に乗せるなど円安が進行し、終盤の株価を押し上げた。

  売買高は33億株、売買代金は2兆円を超えた。大型、中型、小型株まんべんなく買われ昨年来高値更新が250銘柄を数えた。東証1部は82.6%が値上がりし、TOPIXは917.09と900台を回復した。

 東証1部業種別騰落率は全業種プラス。上昇幅が大きかったのは紙パルプ、ゴム、化学、食品、電機、医薬品、繊維、卸売の順で、上昇が鈍かったのは鉱業、空運、石油・石炭、その他金融、電力などだった。

  1月のヒーロー、ソニー<6758>は売買代金1位に入り101円高。重電株の東芝 は売買高4位、売買代金3位で、日立<6501>は売買代金9位と買いを集め、ともに昨年来高値を更新した。自動車株ではBMWと燃料電池車で提携するトヨタ<7203>が売買代金2位で2008年10月以来の高値まで上昇し、マツダ<7261>も昨年来高値を更新して売買高1位に入り、ホンダ<7267>も買われた。金融関連も三菱UFJ<8306>が6円高、みずほ<8411>が3円高。あおぞら銀行<8304>が14円高で売買高5位に入った。野村HD<8604>は売買高9位、売買代金7位で連日商いがふくらんでいる。新しい抗がん剤の臨床試験を申請するニュースで大日本住友製薬<4506>は一時ストップ高で値上がり率6位。鉄鋼株では新日鉄住金<5401>、商社株では三菱商事<8058>、食品関連株ではJT<2914>が買われた。

  一方、アップル関連のTDK<6762>はこの日は売られて20円安。大成建設<1801>、ニコン<7731>、東京建物<8804>、荏原製作所<6361>、関西電力<9503>などとともに、8銘柄しかなかった日経平均採用225種の値下がり組に入った。

来週の展望30日のキヤノン本決算が持つ意味は大きい

  今週前半の日銀の金融政策決定会合をめぐる東京市場の混乱は、景況や企業実績の裏付けがなく、安倍内閣の政策や円安による期待感だけで盛り上がってきた相場が、いかにもろい存在であるかを見せつけた。今年最初のビッグイベントを通過した後、期待感に支えられた相場から脱皮して株価がさらに上を目指すには、景気回復の兆しが確かめられる経済指標の好転や、企業の決算発表での明るいニュースが必要になる。つまり、「先行き」よりは「足元」ということだ。

 その足元だが、日本経済の指標はいまだに暗いトンネルの中。景気動向指数の一致指数の基調判断は「悪化を示している」のままで、2012年の貿易赤字は過去最悪の6兆9273億円だった。消費者物価指数(CPI)は12月は-0.2%、2012年通期で-0.1%で、22日の金融政策決定会合終了後に政府と日銀が共同声明まで出した目標「+2.0%」は、はるかに遠い。政府は1月の月例経済報告で景気の先行きについて「再び景気回復へ向かうことが期待される」と言い、2013年のGDP成長率見通しを実質2.5%、名目2.7%と発表したが、期待や見通しが実際の経済指標の数字として具体化してくるトンネルの出口は、まだ見えない。

  そんな中、28日に通常国会が開会して安倍首相が所信表明演説を行い、31日に補正予算案が国会に提出されるが、政府が言っていることよりも企業決算のほうがまだ現実感がある。来週は4~12月期の決算発表がピークを迎え、特に31日は約380社が集中する発表ラッシュになる。

 <主要企業の決算発表予定>、28日 KDDI<9433>、29日 信越化学<4063>・コマツ<6301>・ヤフー<4689>・JR東海<9022>・富士フイルムHD<4901>・ヤクルト本社<2267>・丸井G<8252>、30日 キヤノン<7751>・NTTドコモ<9437>・三井住友FG<8316>・任天堂<7974>・オリエンタルランド<4661>・日立建機<6305>・アドバンテスト<6857>・ホンダ<7267>・JT<2914>・みずほ<8411>、31日 ソフトバンク<9984>・テルモ<4543>・JR東日本<9020>、野村HD<8604>・東芝<6502>・京セラ<6971>・村田製作所<6981>・東京ガス<9531>・第一三共<4508>・JFE<5411>・オリックス<8591>・ユニチャーム<8113>、1日 三菱UFJ<8306>・三菱商事<8058>・デンソー<6902>・アステラス製薬<4503>・パナソニック<6752>・シャープ<6753> 。

  この中で特に注目されるのは30日のキヤノン で、これは四半期ではなく2012年12月期本決算。経団連の前会長を輩出した日本を代表する輸出関連銘柄だけに、来期の想定為替レートや円安効果を織り込んだ業績予想は、今後の各社の業績予想にも大きな影響を与えそうだ。なお、4~12月期決算でも、想定為替レートの変更や通期見通しの修正、来期についてのコメントなどは株価が動く材料になりうるので注意したい。

アメリカでも大手企業の決算が続く。28日はキャタピラー、ヤフー、シーゲイト、29日はファイザー、コーニング、30日はフォード、ボーイング、クアルコム、フェイスブック、アマゾン、31日はダウケミカル、マスターカード、2月1日はエクソンモービル、シェブロンが発表する予定。キャタピラー決算は同業のコマツ<6301>や日立建機<6305>に、シーゲイト決算はハードディスク関連のTDK<6762>や日本電産<6594>や昭和電工<4004>に、ボーイング決算は全日空機が飛行中に煙を出して下落した「787関連銘柄」に、ヤフーやフェイスブックやアマゾンなどネット企業の決算は日本の同業各社に、それぞれインパクトを与えそうだ。

 経済指標の発表は、国内は28日に企業向けサービス価格指数、30日に小売業販売額、31日に鉱工業生産速報、2月1日に労働力調査と家計調査が出る。アメリカでは28日に耐久財受注、29日に消費者信頼感指数とS&Pケース・シラー住宅価格指数、30日に10~12月期GDP速報値とADP雇用リポート、31日に個人所得・個人消費支出、2月1日に雇用統計、ISM製造業景況指数、建設支出が発表される。ユーロ圏の消費者信頼感指数が出るのは30日。中国のもう一つの製造業PMIの発表は2月1日である。

  なお、2月1日は日本、アメリカ、ユーロ圏で雇用統計が同じ日に発表される。日本は12月の完全失業率と有効求人倍率、アメリカは1月の失業率と非農業部門雇用者数、ユーロ圏は12月の失業率だが、米欧の発表は東京市場の大引け後になる。総選挙があった12月の日本の雇用は改善しただろうか。

  アメリカでは29~30日にFOMCが開催され、30日に政策金利が発表される。FOMCで怖いのは、アメリカ経済の回復ぶりを見て、バーナンキ議長ではなくてもどこかの地区連銀総裁が「QE3の早期終了」についてチラッとほのめかし、NYダウを下落させること。意図的にリークするタカ派の人物もいるから要注意だ。

 来週の株価は、調整が入るなら入るで、日経平均11000円の大台だけは取引時間中に、できれば終値ベースでも一度はタッチしておきたいというのが市場関係者の総意ではないだろうか。1月最終週ということでドレッシング(お化粧)買いも入りそうで、変動幅は今週と同じ500円程度でも中心がやや上にずれて、来週は10600円~11100円というところか。日米ともども、政治家や金融当局関係者の〃口〃には引き続きご用心。(編集担当:寺尾淳)