民主党の岡田克也代表は３日の衆院予算委員会で、甘利明前経済再生担当大臣の口利きによる金銭授受疑惑について、「疑問はいろいろ感じているが、一番違和感を持ったのは、甘利前大臣が大臣室で（建設会社から）菓子入りの袋を受け取ったら、その中に、５０万円入りののし袋が入っていたということ。一般論でお聞きするが、安倍晋三総理があまり面識のない人と秘書の紹介で会われて、３０分お話し後に、菓子折りを置いて行った。後で確認するとのし袋に５０万円が入っていたとした場合、これを政治資金という風に思うか」と総理の見解を質した。
安倍総理は「そんな経験もないし、仮定の質問への回答は差し控えさせていただきたい」として、受け止めを示さなかった。
そのうえで、安倍総理は「大切なのは、政治資金規正法に則って正しく対処していく事ではないかと思う」とかわした。
岡田代表は「黙ってお金を置いていく。それを政治資金と思う方がおかしい」と提起した。「危ないお金だと認識するのが当たり前ではないのか。出す方はちゃんとした政治資金として出していないことは明らかではないか」と追及した。
また「お金を受け取ったのが１１月で、収支報告書の日付は翌年２月。その間、お金はどうなっていたのか。事務所においていたということなのか。意図としては『裏金』と見ざるを得ない」と不可解な金銭処理の在り方に、疑問を呈した。
安倍総理は「支援者から寄付の申し出があった時には法に則り、正しく処理していくこと。これに尽きる。個々の出来事に、私が答弁できることではない」とした。
岡田代表は甘利前大臣が安倍内閣の主要ポストであったことを踏まえれば「安倍内閣がきちんと（この問題を）検証すべきだ」と責任追及した。
安倍総理は「週刊誌で報道されていたようなことがＴＰＰ交渉に影響するのか。影響しない。経済財政運営にも一切影響はないということをはっきり申し上げておきたい」と追及を突っぱねた。また「ＴＰＰ交渉などとこの（甘利前大臣の）問題は別の問題だ。ＴＰＰ交渉を汚すような言い方はやめてください」と強い口調で逆切れともとれそうな答弁になった。（編集担当：森高龍二）
