各都道府県や事業パートナーと連携しながら、現在全国で合計約13万キロワットのメガソーラー発電事業の開発を進めており、2020年には20万キロワットまで達成させる計画の三菱商事 。この三菱商事が、相次いで2件のメガソーラープロジェクトの推進を発表した。
一件目は、シーテックとともに、愛知県田原市に国内最大規模のメガソーラープロジェクトを推進するもの。愛知県企業庁および愛知県田原市と基本合意しており、三菱商事とシーテックは共同で「たはらソーラー合同会社」を2月に設立、田原市の企業庁所有地で、国内最大規模となる7.7万キロワットのメガソーラープロジェクトを運営行うと言う。本件は、今年の夏に建設工事に着手、2014年度中に中部電力へ売電を開始する予定で、総事業費は200億円超とのこと。
二件目は、福島県いわき市に東北地域で最大規模となる1万2千キロワットの太陽光発電設備を保有の上、2014年の半ばより運転を開始するというもの。福島県といわき市から協力を得て、日本化成 の全面的な支援の下でメガソーラープロジェクトを進めるという。また同社と東京電力 との合弁会社である小名浜石油の敷地内でも、6千キロワットのメガソーラープロジェクトを進めており、小名浜における太陽光発電規模は、2件合計で1万8千キロワットとなる。
再生可能エネルギーの固定買取価格が引き下げられる見通しであると報じられたものの、一向に鎮静化を見せないメガソーラー発電所の建設ラッシュ。買取量が増えれば、それだけ消費者の電気料金に跳ね返ってくるだけに、手放しで歓迎すべき状況ではないであろう。しかし現在は、「クリーンエネルギー」という言葉が免罪符となっているかのごとき状況にあり、その建設を誇らしげに発表する企業が後を絶たない。太陽光発電は天候・気候に大きく左右される発電方法であり、さらに、先の震災で我々は、一つの発電方法に偏ることの危険性も学んだはずである。ハイペースでメガソーラー発電所が建設されることに、そろそろ疑問を持つべき必要があるのではないだろうか。(編集担当:井畑学)