税金を多く感じている人の7割以上が節税対策をしていないが、個人型DCには興味あり?

2016年02月12日 08:41

画・税金を多く感じている人の7割以上が節税対策をしていない

年金運用調査委員会は、企業年金に加入していない会社員と自営業者、500名を対象に、税金に対する意識調査を行なった。

 年金運用調査委員会は、企業年金に加入していない会社員と自営業者、500名を対象に、税金に対する意識調査を行なった。

 税金についての考えを聞いた所、71%もの人が税金を多く感じていて、税金を少なく感じている人はわずか8%という結果になった。消費増税を皮切りに、各種税金の増税への不安がますます高まってきており、税金の負担が気になっているようである。

 税金を多く感じている人で、節税に興味があると答えた方は、なんと89%。さまざまな負担が増す中で、税金の負担をなんとか減らしたいという、意識は高いようだ。

 多くの人が税金を多く感じ、節税に興味があるにも関わらず、72%が節税を実際に行っていないという結果が出た。現状では、住宅ローン減税やNISAの投資減税、ふるさと納税などに取り組んでいる人がいる中で、新たな年金制度として、最近注目を集めているのが個人型確定拠出年金(以下、個人型DC)をすでに行っていると回答した人は、わずか1%だった。

 しかし、今回の調査と合わせて調査対象者に、収入や月々の積立金額などの具体的な数字をイメージしてもらい、実際、どれくらいの節税効果があるのかシミュレーションしたところ、その節税効果を実感したことで、26%の人が個人型DCをはじめてみたいと答えている。

 個人型DCをはじめるにあたって、相談したい窓口として、銀行を選んだ方が46%という最も多い結果になりました。皆さん、普段からなじみのある銀行が、一番相談しやすいと感じているようである。

 個人型DCとは、個人が掛け金を積み立て、運用次第で年金額が決まる年金だ。例えば、30歳・会社員の課税所得は300万円、毎月の積立額を2万3,000円とした場合、年間5万5,200円の税金が戻ってくることになる。60歳になるまで、同じ金額を積み立てたとすると、トータルの節税金額は、165万6,000円になる。

 同じ積立額でも、課税所得が500万円だと、年間8万2,800円の税金が戻る計算になる。

 また42歳・自営業のCさんの場合、課税所得600万円、毎月の積立金額が6万8,000円で、年間24万4,800円の節税効果となる。これは60歳までの18年間で440万6,400円も節税できる計算だ。

 調査対象者全員の積立金額の平均値は、月々約1万4,400円。年間の節税額は、約4万8,370円でした。これは、年間約18万円を積み立てると、5万円がボーナスとしてもらえるという感覚です。つまり実質、自分で負担している金額は約13万円で、18万円が将来の年金として積み立てられる計算になる。

 節税対策の一つとして、個人型DCを検討するのも悪くないかもしれない。(編集担当:久保田雄城)