トラックと鉄道で「呉越同舟」の食品大手

2016年02月24日 08:03

 食品大手メーカー6社が物流の面で手を組んだ。トラックドライバー不足対策と環境負荷軽減が目的で、お互いの荷物を効率よく運ぶ仕組みづくりに取り組んでいる。参加しているのは、味の素、カゴメ、日清オイリオグループ、日清フーズ、ハウス食品グループ本社、Mizkan(ミツカン)。まずは3月から、関東-関西間で味の素とミツカンが共同で鉄道輸送を開始する。

 6社は2015年2月に、「より効率的で安定した物流力の確保と食品業界全体の物流インフラの社会的・経済的合理性を追求するため」に「食品企業物流プラットフォーム(F-LINE)」の構築に合意していた。トラックドライバーの高齢化や若年層の減少で特に中長距離輸送は深刻な状況になっていることが背景にある。

 味の素とミツカンの協力は、それぞれ関東・関西の物流センター間で製品輸送が必要なのだが、味の素は関東へ輸送する製品が少なく、逆にミツカンは関西へ輸送する製品が少ないという特徴があることから、2社で貨物鉄道の大型コンテナを共同利用して往路(関東から関西)は味の素の製品を運び、復路でミツカンの製品を輸送することとした。これまではトラック単独や鉄道併用による片道輸送だったという。

 また、4月からは北海道で6社による共同配送(常温製品)を開始する。現在6社合計で4カ所にある配送拠点を2カ所に集約して共同保管し、各々の配送拠点から共同配送を行うことで1台当たりの積載効率を高める。各社の情報システムを連結して物流情報を一元化し、6社の製品の在庫管理や配送車両の手配等の物流業務の効率化を図ることも盛り込まれている。

 6社は「競合として公正な競争をしながら、厳しい物流環境に対応して持続可能な社会への貢献を目指す」としている。どんなにインターネットが発達しても、物流はなくならない。トラックが“満腹”で走れるような仕組みづくりをぜひ構築してほしい。(編集担当:城西泰)