2015年の全国のスーパーの売上高が、既存店ベースで19年ぶりにプラスとなった。食料品が好調に推移したことが寄与した。ただし、食料品の伸びは生鮮品の相場高や加工食品の値上げによるところが多く、客単価や客数はいまだに伸び悩んでいる。年明けから続く株価下落に加え、今年は暖冬が続いていることから、16年が15年の売上高の額面通りに好調に伸びるかどうかは、まだまだ未知数だ。
21日、日本チェーンストア協会は15年の販売状況を発表。それによれば、15年の全国スーパー売上高は既存店ベースで前年比0.7%増の約13兆1682億円であり、1996年以来、19年ぶりに前年を上回った。食料品が好調に推移し、全体の数値を押し上げた。食料品は同2.5%増の8兆4667億円であった。
ただし、食料品以外の部門を見てみると、衣料品は同2.1%減の1兆1919億円、住関品は同2.0%減の2兆6873億円、サービスは同3.5%減の397億円、その他は同4.6%減の7824億円と軒並みマイナスであった。こうしたことから、食料品頼りの構造が透けて見える。そして、その食料品も先に述べた通り、生鮮品の相場高や加工食品の値上げなどの要因に支えられている。
1~3月は食料品が好調に推移したものの、衣料品や住関品は暖冬の影響や、前年の消費税増税前の駆け込み需要の影響により不調に終わった。しかし、4月以降は食料品、衣料品、住関品それぞれ好調に推移。ただし、6月は気温が例年よりも低かったこともあり、衣料品、住関品が低迷した。7月以降は、農産品の相場高もあり食料品が好調に推移。衣料品、住関品も季節商品を中心に順調に推移した。9月以降は、農産品を中心に食料品が好調に推移。衣料品、住関品も堅調に売り上げを伸ばした。11~12月は、食料品は安定的に伸びたものの、暖冬の影響を受けて衣料品、住関品の季節商品が落ち込みをみせた。
そして大手流通の既存店の客数・客単価を見てみると、イオンリテールの総合スーパー「イオン」は、9~11月の客数が前年同期比2.7%減、客単価は同2.9%増、イトーヨーカ堂は3~11月の客数は0.8%減、客単価は0.5%増であった。(編集担当:滝川幸平)