今年2016年はVR始動元年となるか? 様々な分野に広がりを見せるVR

2016年03月10日 08:14

画・今年2016年はVR始動元年となるか

VR(仮想現実)の代表格とされるOculus Riftの製品化、Six FlagsのVRジェットコースターの運用開始など、今年2016年はVR関連のニュースが多く報道されている。様々な分野の企業で採用が進むVR。今年はその始動元年となるのだろうか。

 ここ数年の間に急速に注目を集めている、一つの製品分野がある。それはVR(バーチャル・リアリティ)だ。VRとは、仮想現実を意味する。人間の感覚器官に働きかけ、現実のように感じる環境を作り出す技術だ。

 今年2016年には、以前から期待されていた、バーチャルリアリティ用ヘッドマウントディスプレイ「Oculus Rift」の製品版がついに発売されるなど、本年は「VR始動元年」と言ってもよいかもしれない。

 この数年間で、話題に上がる機会が増えたVRだが、その歴史は意外にも古く、1968年まで遡る。その年にアメリカのユタ大学で開発された頭部搭載型ディスプレイが、世界初のVRとされている。

 近年では技術が発達し、より小型でより安価な製品が開発されるようになり、一般の消費者でも手の届く範囲にまで価格が下がってきたことが、最近VRが注目され始めた理由である。

 VRは、エンターテイメント分野への適用のニュースが数多く報道されている。例えば、北米で18のアミューズメントパークを展開しているSix Flagsは、韓国Samsungと提携し、16年3月からVRを装着しながら楽しめるジェットコースターの運用を開始すると発表した。VRを装着することで、搭乗客の視界には、自分がまるで戦闘機乗りになったかのようなバーチャルな世界が展開する。ジェットコースターの動きに合わせて、この世界も動くのだ。

 この例ようにエンターテイメント色が強いVRも、最近ではその他のビジネスへの展開も広がっている。

 米国・マクドナルドは今年3月より、「Happy Googles」と呼ばれるプロジェクトを開始する。子供用のセットメニュー、日本でいうところの「ハッピーセット」の箱を組み立てることによって、その箱をVRゴーグルにすることができるというのだ。このようなプロジェクトを展開するのはマクドナルドだけではない。コカ・コーラも、その製品の箱からVRゴーグルを作るためのチュートリアルをすでに発表している。アメリカを代表する2大チェーンが早くもVRをプロモーションの一環として利用始めているのだ。

 上述したOculus Riftの価格は599ドル。もちろん製品クオリティの違いはあるものの、VRはOculus Riftのようなハイエンド向けだけではなく、徐々に大衆化されつつある。このように様々な分野、価格帯で広がりを見せるVR。今後も動向から目を離せない。(編集担当:久保田雄城)