天皇陛下は11日都内で催された東日本大震災5周年追悼式にご臨席され「地震、津波に続き、原子力発電所の事故が発生し、放射能汚染のため多くの人々が避難生活を余儀なくされました。事態の改善のために努力が続けられていますが、今なお、自らの家に帰還できないでいる人々を思うと心が痛みます」と述べられた。
また陛下は「皆が協力して幾多の困難を乗り越え、復興に向けて努力を続けてきました。この結果、防災施設の整備、安全な居住地域の造成、産業の再建など進展が見られました。しかし、被災地で、避難先で、今日も、なお多くの人が苦難の生活を続けています。特に、年々高齢化していく被災者をはじめとし、私どもの関心の届かぬ所で、いまだ人知れず苦しんでいる人も多くいるのではないかと心に掛かります」と心を砕かれた。
陛下は「困難の中にいる人々一人ひとりが取り残されることなく、1日も早く普通の生活を取り戻すことができるよう、これからも国民が心を一つにして寄り添っていくことが大切と思います」と述べられ「日本は美しい自然に恵まれていますが、その自然は時に非常に危険な一面を見せることもあります。この度の大震災の大きな犠牲の下で学んだ教訓をいかし、国民皆が防災の心を培うとともに、それを次の世代に引き継ぎ、より安全な国土が築かれていくことを衷心より希望しています」と大震災の教訓を生かし安全な国土づくりを希望する思いを伝えられた。(編集担当:森高龍二)