ホンダ製「燃料電池車」がいよいよ走り出す。まずは国内リースから。価格は766.0万円

2016年03月12日 19:11

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ホンダ製燃料電池車(FCV)「CLARITY(クラリティ)FUEL CELL」を発売。価格は766.0万円。初年度納入予定台数は200台

 遂にホンダが燃料電池車(FCV)「CLARITY(クラリティ)FUEL CELL」を発売した。

 クラリティの導入初年度は、従来からFCV普及促進に協力してきた自治体や企業を中心にリースを行なう予定だという。その後、外部給電器も含めた市場における製品の使用状態や関連団体の多様な意見、要望を収集し、その後個人ユーザーへの販売を行なう考えを示す。

 生産は、生産企画統括部パワートレイン生産企画統括部(栃木県塩谷郡高根沢町)で少量生産から開始し、その後生産規模を拡大する計画だとしている。また、2016年中に米国や欧州での展開を予定する。メーカー希望価格は766.0万円。初年度納入予定台数は200台としている。

 クラリティは、70MPaの高圧水素貯蔵タンクを搭載し、パワートレインの高効率化や走行エネルギーの低減で、一充填走行距離を同社の従来型FCV比で約30%延ばし、ゼロエミッションビークル(ZEV)で世界トップクラスの約750kmを達成した。この一般走行距離は、日常的に使うクルマとしての実用性を得たことにつながる。なお、1回あたりの水素充填時間は3分程度と、ガソリン車の燃料補給と違わない使い勝手を実現した。また、同時に発売する可搬型外部給電器「Power Exporter 9000」を組み合わせることで、「走る電源」として一般家庭のおよそ7日分の電力を外部に供給することができる。

 搭載する駆動用モーターは、最高出力130kW/4501-9028rpm(最高回転数13000rpm)、最大トルク300Nm/0-3500rpmのアウトプットを有する。駆動用バッテリーはリチウムイオン電池である。ボディサイズは全長×全幅×全高4915mm×1875mm×1480mmとかなり大柄だ。

 ホンダは、ZEV開発において、いち早く水素に着目。水しか排出しないFCVを究極の環境対応車と位置づけ、1980年代後半から研究開発を行なってきた。2002年に同社が開発した「FCX」は、FCVとして世界で初めて米国環境保護庁およびカリフォルニア州大気資源局認定を取得し、日本と米国でリースを行なった。2008年には他社に先駆けて、革新的なセダンタイプのパッケージや異次元のドライブフィールを備えた「FCXクラリティ」のリースを開始。今回の新型は、それらにより得られたFCVの使い勝手や走行性能などの各データをもとに開発された。(編集担当:吉田恒)