「帯に短し、たすきに長し」。スマートフォンでは画面が小さく細かい作業がやりにくい。かといってタブレットでは大きすぎて通話には不便・・・。結局のところ、スマホとタブレットの二台持ちをしているという人も少なくないだろう。
「帯に短し、たすきに長し」。スマートフォンでは画面が小さく細かい作業がやりにくい。かといってタブレットでは大きすぎて通話には不便・・・。結局のところ、スマホとタブレットの二台持ちをしているという人も少なくないだろう。
昨年は、画面サイズが6インチを越えるファブレットと呼ばれる機種が登場したりする一方、タブレットの方も人気のiPadのサイズダウンを図った「iPad mini」が発売されるなど、スマートフォンは巨大化し、タブレットは徐々にサイズ縮小の方向に向かっている。
スマートフォンも5インチを超えるサイズになってくると、女性はもとより、男性でも片手では容易に操作できないので、通話目的では、かなり扱いにくくなる。通話ではほとんど使用せず、インターネット利用が主目的なら便利かもしれないが、それならそれで、タブレットの方がもっと利用価値は高い。
そんなどっちつかずの不満を解消する、目からウロコのアイデアが、台湾のスマートフォン・携帯情報端末(PDA)メーカー・HTC社から発表された。
「HTC Mini」と名付けられたそのデバイスは、一見するとストレートタイプのフィーチャーフォンのように見える。しかし、HTCの特大スマートフォン「Butterfly」と、近距離無線通信(NFC)で接続して使う、いわばスマホの子機なのだ。HTC Miniには、テンキーと小さな画面があり、通話はもちろんメールの送受信やButterflyの情報を共有して、簡単なアプリやネットの利用も可能だ。つまり、大きなスマートフォンはバッグの中にしまったままで、子機を使ってスマートに通話やメールができるというわけだ。
また、子機としての用途以外にも、Butterflyをより大きなディスプレイにつないだときにはリモコンにもなり、Butterflyをカメラとして使うときには、miniでシャッターを操作したりもできるそうだ。
ちなみに、HTC社は、経営戦略コンサルティングファームの世界大手、ボストンコンサルティンググループ(BCG)が2004年から行なっている「イノベーション企業トップ50」の2012年度で、台湾企業として唯一ランク入りしている。しかも今回、47位から24位へと順位が大幅にランクアップし、台湾のみならず、世界的な注目を浴びている、今、もっとも勢いのある企業の一つだ。
携帯端末用の子機。一見便利なようだが、よくよく考えてみると、なんだかおかしい。一般的なユーザーに、本当にそこまでのモバイル環境が必要なのだろうかという疑問も残る。携帯電話をポケットに入れて携帯できる時代、携帯機種が薄さと軽量化を競っていた時代は、すでに遠い昔の話なのだろうか。HTC Miniが、これからのスマートフォン、タブレット市場のスタンダードなスタイルを確立するのか、それともキワモノデバイスとして淘汰されていくのか注目したい。(編集担当:藤原伊織)