NEC<6701>が、2018年度までの3カ年の中期経営計画「2018中期経営計画」を策定した。今回の「2018中期経営計画」では、営業利益率5%の実現に向けて収益構造の立て直しに取り組むとともに、社会ソリューション事業のグローバル化を推進し成長軌道への回帰を図ることで、中長期的な企業価値の向上を目指すという。
具体的な目標値としては、2018年の売上高3兆円(2015年実績2兆8,248億円)、営業利益は1,500億円(15年実績914億円)、当期純利益/当期利益は850億円(15年実績759億円)としている。
また、方針として、まず「収益構造の立て直し」を掲げている。これは、スマートエネルギー事業部門をビジネスユニットからコーポレート直轄事業部に体制変更し、構造改革を実行。ミニマムオペレーションによりリソース規模を最適化するとともに、エネルギーSI・サービス事業へのシフトを加速する。
そして、不採算案件の抑制ノウハウをグループ全体に横展開。また、現地法人の管理強化により海外での不採算案件を抑制する。NECマネジメントパートナー社へのスタフ業務の集約対象を主要グループ会社に拡大。業務の見える化・標準化やプロセス改革により、30%の業務効率化を目指す。あわせて経費やIT費用の効率化も強化する。グループ全体でハードウェア開発・生産およびソフトウェア開発の機能統合を推進。リソースの最適配置や業務ノウハウ共有などにより生産性を向上。これらの施策による2018年度の営業利益改善効果額は820億円(2015年度比)としている
また、「成長軌道への回帰」では、社会ソリューション事業のグローバル化に向け、これまで強化してきたビッグデータ、クラウド、サイバーセキュリティ、SDNの各技術を包含した基盤上でNECの強みを活かせるセーフティ事業(サーベイランス、サイバーセキュリティ)、グローバルキャリア向けネットワーク事業(TOMS、SDN/NFV)、リテール向けITサービス事業の3事業を注力事業として選定し、リソースを集中。市場成長の波を捉えて事業拡大を図る。
これまで培った業務ノウハウや技術アセットを統合し、アジア大洋州など新興国の主要都市や政府・重要公共施設を対象に、運用も含めた統合システムをサービスとして提供。リアルタイムでの事象把握により、さらなる安全・安心の確保に貢献する。さらに、注力事業の拡大のため、M&Aも機動的に実施。M&A施策枠として2,000億円を確保。2018年度には海外売上高目標として8,000億円(2015年度実績:6,032億円)としている。(編集担当:慶尾六郎)