カミュ社からコニャックの新製品2種。大胆で斬新な「イル・ド・レ クリフサイドセラー」に脱帽

2016年05月21日 22:40

Camus_Cognac

アサヒビールは、フランスの名門カミュ社のプレミアム・コニャック「カミュボルドリーVSOP」(写真左)と「イル・ド・レ クリフサイドセラー」(各700ml)を2016年6月7日から全国で新発売する。なかで右の「イル・ド・レ」は大胆で斬新なコニャックの革命児ともいえる製品

 総合酒類会社としてのアサヒビールによると、近年のウイスキーブームに牽引され、ブラウンスピリッツ全体の市場が拡大しているという。そのなかでコニャックも消費者の嗜好の多様化などから伸長傾向となっており、2015年の世界市場では約1450万箱(1箱:8.4リットル換算/前年比108.5%)、日本市場においても約10万箱(前年比101.2%)となったもようだ。IWSRは本社をロンドンにおくワイン、ウイスキー、ビール、スピリッツなどのアルコール飲料の市場情報を提供する世界でも信頼の高い市場調査会社だ。

 ブラウンスピリッツのうちでコニャックとは、果実酒からつくられる蒸溜酒であるブランデーのひとつ。フランスのコニャック地方の6つのエリア(クリュ)の畑で栽培したぶどうを原料にしてつくられるブランデーであり、1936年のAOC(原産地呼称制度)によって規定された製品だけがコニャックを名乗れる。原料にも厳格な規定があり、おもに「ユニ・ブラン」「コロンバール」「フォル・ブランシュ」という3種のぶどう品種とされる。なお、全体の10%以下であるなら「フォリニャン」「ジュランソン・ブラン」「メスリエ・サン=フランソワ」「モンティル」「セレクト」「セミヨン」を混ぜてもOKだ。

 今回、アサヒビールは、フランスの名門カミュ社のプレミアム・コニャック「カミュボルドリーVSOP」「イル・ド・レ クリフサイドセラー」(各700ml)を2016年6月7日から全国で新発売すると発表した。

 カミュ社は、1863年に創業した150年以上の歴史をもつ老舗であり、現在世界第5位の最大手独立系家族経営コニャックメーカーだ。コニャック地域のなかで面積が小さなクリュ「ボルドリー」のぶどう畑を所有し、5世代にわたってユニークで個性のあるコニャックをつくってきたブランドだ。

 新発売する「カミュボルドリーVSOP」は、コニャック地区でわずか5%と収穫量の少ないボルドリー地区から収穫される希少なぶどうだけを使用する「シングル・クリュ・コニャック(Single Cru Cognac)」と呼ばれるブランデーだ。香りにこだわりをもつカミュ社らしい、濃密で滑らかなスミレ、バニラの香りが特徴。加えて口当たりが滑らかでリッチな味わいを持つ。シングル・クリュとして数量限定で製造しており、ボトルには連番が打刻されている。

 もうひとつの新製品「イル・ド・レ クリフサイドセラー」は、かなり個性的なコニャックだ。“大胆で新鮮な”とも表現すべきか。コニャック地方最西端に位置し、大西洋に浮かぶ島「イル・ド・レ」でつくるコニャックだ。本土産のぶどうの10倍ともいわれる塩気を含んだぶどうからつくるため独特の風味を持った原酒が生まれる。原酒を樽に詰め10年以上熟成後に、さらに10カ月~12カ月ほど、海に面した崖の上にの史跡“フォール・ド・ラ・プレ要塞”内にある「クリフサイドセラー」専用貯蔵庫で熟成させる。熟成庫は嵐ともなると海水を被り、そのため原酒はヨード香と独特の風味、ドライな味わいに仕上がる。旧来の伝統的なコニャックとは一線を画する。筆者は、ある意味で“脱帽”した。こちらは「Single Growh Cognac」と表現していた。「クリフサイドセラー」とは、“崖にたつ貯蔵庫”という意味だ。「イル・ド・レ」、例えるならコニャックのアイラモルトとでも表現できそうなコニャックである。

 アサヒビールでは、カミュ社らしい個性が活かされたプレミアム・コニャックとして、料飲店向けに訴求し、ストレートやロックでじっくり味わう飲み方を提案していくという。(編集担当:吉田恒)