日本共産党の藤野保史政策委員長は28日夜、記者会見し「今月26日に行われたNHK番組で、軍事費について、『人を殺すための予算』と述べたことについて、発言は、わが党の方針と異なる誤った発言であり、自衛隊員のみなさんを傷つけるものとなってしまった。深く反省し、国民のみなさんに心からお詫び申し上げます」と深謝。政策委員長を辞任した。政策委員長は当面、小池晃書記長が兼務する。
問題の発言は集団的自衛権の行使を限定的に認めた安保法制の施行で、これに伴い新たに自衛隊に加わる任務の部分での海外派兵用の自衛隊の武器・装備などの費用について批判する主旨で「人を殺すための予算」と発言したが「テレビでの発言でそうした限定をつけずに述べており、不適切で、取り消します」と発言当日、発言を撤回していた。
ただ、この発言での批判表現が、軍事費そのものが人を殺すための予算と受け取られることにつながったことから与党から格好の批判材料にされたばかりか、共闘している民進党幹部からも「不適切」など批判や懸念の声があがっていた。
藤野氏は「選挙をともに戦っている野党共闘の関係者のみなさん、支持者と党員のみなさんに多大のご迷惑をおかけしたことにもお詫びする」とし「発言は撤回したが、党の方針と異なる発言をしたことは政策委員会責任者として極めて重大であり、責任をとってこの職を辞したい」と引責辞任の理由を述べた。(編集担当:森高龍二)