視聴行動分析サービスを提供するニールセンによれば、2016年5月時点でのスマートフォンからのインターネット利用者数は5,570万人で、そのうちMVNO(仮想移動体通信事業者)での契約割合が昨年6月の5%から倍増し10%であったとのこと。
視聴行動分析サービスを提供するニールセンによれば、2016年5月時点でのスマートフォンからのインターネット利用者数は5,570万人で、そのうちMVNO(仮想移動体通信事業者)での契約割合が昨年6月の5%から倍増し10%であったとのこと。スマートフォンの利用開始時期で見ると、ここ1年以内の開始期間で見ると4人に1人がMVNOで契約するなど、利用歴が短いほどMVNOの契約割合が高くなっていた。次に購入したいと考えている機器の割合では、大手キャリアのAndroid OS搭載の機器が38%、iOS搭載の機器が35%と依然として多いものの微減に転じ、逆にSIMフリー端末・格安のスマートフォンといったMVNO契約の機器を検討している人は昨年より5ポイント増加し21%となった。
また、ICT総研の調査では15年度のスマートデバイスの出荷台数は過去最多の3,794万台で前年度より2.9%増となったとのこと。これはノートPCとデスクトップPCの台数を出荷合計した978万台の3.9倍にあたる。スマートデバイス全体の出荷台数は伸びているが、15年度での内訳を見るとタブレット端末は微減となり、スマートフォンが増加している。これは、タブレット端末では大手キャリアのLTEモデルの販売がやや伸び悩んだことが影響し、スマートフォンではMVNO格安SIM市場の伸びによりSIMフリー端末・格安のスマートフォンの増加などが影響したものと見られる。
スマートフォンでは月割り端末代金と通信費などを合わせた月額料金が割高かつプランが複雑なのに対して、急速に普及してきたMVNO格安SIMは、格安スマートフォンとの抱き合わせプランが用意されていることが多く、シンプルでリーズナブルな料金体系が人気だ。MVNO事業で伸ばしている楽天モバイルでも、格安スマートフォンと格安SIMのセットプランを用意しており、さらにオプションとして「楽天でんわ」向けの5分以内での音声通話定額サービスが選択できる。データ量だけで料金プランを提示するだけでなく通話時間での無料枠を設けることで利用者の安心感を得て契約数を伸ばしている。こうしたわかりやすいプラン・オプションを用意することで通話SIMサービスの契約数は今年1月の62%から、5月には新規申込みの80%にまで到達したとのこと。
MVNO格安SIM市場は格安スマートフォンとSIMフリー端末が一般化していくとともに、今後もさらに拡大することは間違いない。事業者間での競争が激化するなか、MVNOを絡めた多様なサービスが登場してくると予想される。(編集担当:久保田雄城)