住宅の購入を検討している人でなくとも、「スマートシティ」や「スマートハウス」といった言葉を耳にしたことはあるだろう。
スマートホームとは、電化製品や家電製品をネットワークでつないで一括管理してコントロールする住宅システムのことで、スマートシティとはそれを街ぐるみで行おうとする仕組みやプロジェクトのことだ。
スマートハウスはすでに数年前から、積水ハウスやダイワハウス、パナホームなど大手住宅メーカーを中心に市場への導入が開始されており、スマートシティも日本全国の各自治体などがこぞってプロジェクトを推進している。とくに2011年に発生した東日本大震災以降は、エネルギーや災害時のインフラ確保への意識が高まり、スマートハウスやスマートシティへの関心も加速している状況だ。
例えば、積水ハウスが千葉県市原市ちはら台で開発している全215区画のスマートコモンシティちはら台では、全戸に太陽光発電システムを採用しているほか、太陽電池・燃料電池・蓄電池を備える「グリーンファースト ハイブリッド」を推奨し、進技術を結集したスマートタウンとして注目を集めている。
また、ダイワハウスのスマ・エコ アベニューも、太陽光発電システムの他、エネファームやリチウムイオン蓄電池を搭載し、HEMS搭載することで光熱費の削減だけでなく、安全で、快適な生活を提供する住宅として人気が高い。
大手だけでなく、地方自治体と連携して、文字通りまちぐるみでのスマートシティの計画も各地で進んでいる。その中でも最も先進的な例が、「環境未来都市」の実現に向けた取り組みを推進している埼玉県さいたま市が、浦和美園地区において低炭素・レジ離縁す・コミュニティをテーマに進めている「浦和美園スマートホーム・コミュニティ整備事業」だ。事業主体は公募で採択された公民が連携して取り組む「埼玉県住まいづくり協議会」が担当し、同協議会会員である中央住宅、高砂建設、アキュラホームが住宅の建築と販売を行う。
こうしたスマートハウスやスマートシティの発展は、環境配慮やエネルギー制御でのメリットはもちろんのこと、防災対策や医療介護などの分野でも注目されており、今後ますます普及していくのは間違いないだろう。日本全国がスマートシティ化する日もそう遠くないかもしれない。(編集担当:石井絢子)