三菱商事と三井物産が豪ブラウズLNGプロジェクトに参画

2012年05月07日 11:00

 三菱商事と三井物産が、両社で折半出資している豪ジャパン・オーストラリアLNG(MIMI社)を通じて、豪ウッドサイド社が推進するブラウズLNGプロジェクトに参画すると発表。MIMI社が新規に設立した子会社MIMIブラウズ社と、ウッドサイド社の子会社であるウッドサイド・ブラウズ社が権益売買契約を締結、2012年度第2四半期中に権益取得を完了する見込みだ。

 今回参画するプロジェクトは、豪西オーストラリア州沖合のブラウズガス・コンデンセート田で生産する天然ガス・コンデンセートを、同州キンバリー地区に輸送し、精製・液化・出荷を行う大規模な開発計画。現在、2013年6月末までの最終投資決断を目指し、2012年初めに終了した基本設計の評価作業および設計・調達・建設業者の選定に向けた作業を行っている。MIMIブラウズ社とウッドサイド・ブラウズ社は共同で、両社が本プロジェクトから引き取る一定量のLNGに関し日本を含むLNG顧客向けの販売活動を進めること、また、ウッドサイド・ブラウズ社の本プロジェクトの開発資金調達をサポートすることで合意している。

 かつては世界のLNG全輸出量の約過半数を占めていた日本向けの輸出であるが、近年は諸外国での需要が高騰し、みずほ情報総研によると、2009年には約36%にまで減少しているという。4月27日には、住友商事と東京ガスも米コーブポイントLNGプロジェクトから液化天然ガス調達で協議を開始するなど、依然、天然ガスの日本に対する安定供給に向けた動きは活発である。今後も各国による天然ガス資源の獲得戦争は激化を続けるであろう。一方で日本近海には、メタンハイドレードが多く埋蔵されている可能性が指摘されているのであるから、太平洋側の一部で開発を行うのではなく、日本海側など、埋蔵の可能性がある場所では積極的に開発を進め自給自足の為の道を加速させる方が、広く浅く裾野を広げて産出各国にけおける開発に投資して回るよりも、確実に国益になるのではないだろうか。