住宅業界で好調な「多層階住宅」。住宅メーカー選択のコツは?

2016年08月11日 11:44

 住宅業界では今、多層階住宅が好調だ。2013年の消費税増税後、新設住宅着工戸数は減少傾向にあるが、その一方で2015年1月相続税改正を受けて、とくに地価の高い都市部に土地や住宅を所有している人の中で、賃貸や店舗・事務所併用住宅での資産活用を検討する動きが増えている。相続税を課税されるよりも課税対象額の減額を見込むのが狙いだ。

 そこで、限られた土地を最大限に利用できる多層階住宅の人気が高まっている。ところが、大手住宅メーカーのみならず、さまざまな住宅会社や工務店がこの市場への参入を開始しており、工法も木造、鉄骨、コンクリートと混在しているため、購入を検討する際には、なかなか選択が難しいのが現状だ。

 選択の基準としては、性能面、設備面、耐久性、耐震性、施工期間などがあるが、やはり多層階住宅の実績が豊富な住宅メーカーを選択するのが無難ではないだろうか。

 そういう観点で考えれば、大手住宅メーカーの中でも群を抜いて多層階住宅に力を入れているパナホームが、まず選択肢に上がってくる。パナホームは2011年9月から重量鉄骨構造の多層階住宅「Vieuno」を販売し、全国の都市部を中心に積極的に展開してきた。工業化住宅で初めて7階建まで対応できることが大きくニュースにも取り上げられ、その技術力と、戦略営業拠点「Vieuno Plaza」での提案力で多層階住宅の需要では着実に受注を伸ばしている。

 そんなパナホームは、さらに4月から多層階住宅の中でもとくにニーズの多い3階建てに特化した「Vieuno3s(ビューノ スリーエス)」を販売し、女性と家族がときめく「動線」「家事」「収納」プランや、住宅性能表示最高の構造等級「3-3-2」を標準仕様とすることで実現した最大級の空間力を武器に3階建住宅市場でシェアアップを狙っている。

 もちろん他社も、パナホームの独壇場に手をこまねいて見ているだけではない。

 例えば、大和ハウスの重量鉄骨住宅ならではの自由な生活空間を提案する「skye~スカイエ~」や、セキスイハイムの「デシオ」、そして、独自のβ工法システムと高級感あふれる仕様で人気の積水ハウスの「ビエナ」など、他社もそれぞれの得意分野で差別化を図りながら、多層階住宅を展開している。

 多層階にすれば、家は家族が住むだけでなく、余っているスペースを貸すこともできるようになる。賃貸経営なんて自分には関係がないと思っていた人も、意外に好条件で資産を運用することができるかもしれない。相続税対策が頭をよぎったときは、一度、住宅メーカーに相談してみてはいかがだろうか。(編集担当:藤原伊織)