国勝訴も、舞台は最高裁へ 沖縄辺野古問題

2016年09月17日 09:29

 普天間基地の代替施設を名護市辺野古に建設するための、埋め立て承認を翁長雄志沖縄県知事が取り消した処分をめぐり、違法かどうかが問われた裁判で、福岡高裁那覇支部は16日、国側の主張を認め「取り消しは違法」との判決を下した。翁長知事は最高裁に上告する方針。

 社会民主党の又市征治幹事長が談話を出した。談話では「9人の尋問申請のうち認められたのは翁長氏の当事者尋問のみにとどまり、県が敗訴することを前提に最高裁における確定判決に従うかどうかを裁判長が質問するなど、裁判自体についても、丁寧かつ公正な審理だったのかという疑念を抱かざるを得ない」と審理の進め方自体に疑念を呈した。

 そのうえで、さきの和解勧告についても「国敗訴の事態を回避するための「助け船」であり、裁判所が国と一緒になって、辺野古新基地建設を押しつけようとしていると受け取られても仕方がない」と批判した。

 又市幹事長は「国に対し、今回の判決を振りかざすのではなく、沖縄県民の民意により添い、県との実質的な話し合いを真摯に行うよう」求めている。

 また「翁長知事が求める協議をないがしろにし、一方的に訴訟を起こし、米軍北部訓練場のある高江では米軍ヘリパッド建設のため、全国から機動隊を動員した上、ついには自衛隊ヘリまで投入するなど、『緊急事態条項』を先取りしたかのような異常な暴力的弾圧が進行している」と強硬な政府姿勢を非難した。

 「負担軽減に結びつくことはすべてやる」といっても、地元民が最も反対している部分に政府方針をごり押しする姿勢は、沖縄と政府、沖縄県民意識からすれば、おそらく沖縄と本土。その溝を深くするばかり。立ち止まって、再度、集中協議を行い、地元の理解を得る努力こそ求められている。

 ヘリパッド建設においても、オスプレイ離着陸や飛行訓練が「やんばるの森国立公園」の生態系に与える影響など、環境保護団体や地元民の懸念に答える環境アセスメントを行うことが強く求められる。(編集担当:森高龍二)