安全基準満たせば再稼動 甘利自民政調会長

2012年12月05日 11:00

 自民党の甘利明政調会長は原発が動いていないため、電力各社は電力供給のための天然ガスを買っており、その金額が「年間で3兆1000億円になる。つまり、3兆1000億円が国外に流出していく状況になる」として、そうした観点からも「安全が確認された原発は動かした方が良い」とした。2日のNHK日曜討論で語った。

 甘利政調会長は「原子力規制委員会で決めている。全体としては世界で一番厳しい安全基準でチェックする。クリアしたものは再稼動した方が絶対に国民の利益になる」と語り、「再稼動しなければ、貿易収支はまっかっか(真赤々)になる」と強調した。

 民主党の長妻昭選挙対策本部事務局長代理は「原子力規制委員会ができたので厳密な安全基準の吟味を経て、そこで了解を得たものは地元の理解を得ながら稼動させる」とし、「我々は2030年代に原発ゼロにしていくとの強い意志を持って、今、工程表をつくっている」とした。

 公明党の石井啓一政調会長は「原子力規制委員会が厳格な基準をつくるので、これを満たすことで、住民、国民の理解を得て判断していくというのが基本だが、新規の原発は認めない、40年運転制限制は厳格に適用するなどして、原発ゼロをめざす」とした。また、高速増殖炉のもんじゅは廃止すべきとの考えを示した。

 日本維新の会の浅田均政調会長や国民新党の浜田和幸政調会長らは安全性が保障できるものは再稼動すべきとの立場を示した。

 みんなの党の浅尾慶一郎政調会長は安全基準づくりでの透明性を高めるため規制委員会の委員は国会承認された人の下で国際基準を設け、その基準に照らして認めるかどうか判断すべきとした。

 新党大地の松木謙公幹事長は「2022年の3月11日に全部廃止するということを決めて、再生可能エネルギーであるとか、天然ガスの問題とかを考えていくべき」とした。

 一方、社会民主党の服部良一政審会長代理は「原発の再稼動はできないし、やるべきでない。関電大飯原発3・4号機を動かさなくても電気はこの夏4%の余裕があった。省エネの取り組みなどをすすめ、このまま原発は廃炉にすべき」とした。

 日本共産党の小池晃政策委員長は「今の技術では絶対事故が起こらない安全基準なんてあり得ない。(新基準は)安全神話の復活だ。関電大飯原発だって、疑わしきは停止すべきであって、即時原発ゼロが一番現実的」と強調した。

 日本未来の党の森ゆうこ副代表は「東電福島第一原発事故の反省が全くない。原発をゼロにするのは当たり前の話。(新たな安全基準というのは)新たな安全神話にのっかっているのだと思う。新しい原発をつくるというのは、そもそも議論の前提がおかしい」と強調した。(編集担当:森高龍二)