伊藤忠がスポーツブランドで韓国市場を狙う

2016年10月08日 08:47

 伊藤忠商事<8001>が米国ブランド品で韓国市場を狙う。同社は、米国のスポーツブランド「Ocean Pacific(オーシャン・パシフィック)」の韓国展開において、WOOSUNG I.B. CO., LTD.とマスターライセンス権に関する契約を締結した。2017年春夏シーズンより韓国市場における展開を開始するという。

 「Ocean Pacific」ブランドは1972年に米国カルフォルニア州で生まれ、本格派サーフブランドとして西海岸を中心に人気を博したという。その後、サーフィンのライフスタイルを、スポーツ、音楽、アート、そしてファッションと融合させ、現在では、ビーチからストリートまで、行動的でファッションに敏感な若者を中心に幅広い層に支持される総合ライフスタイルブランドへと成長している。

 伊藤忠商事は、2012年に「Ocean Pacific」ブランドの日本および一部アジアにおける商標権を取得して以来、日本市場を中心に展開を拡大しており、今夏に発表したモデル兼タレントの中村アンさんとのコラボレーション水着がSNS等で話題を集めるなど、若年層を中心に認知度が高まっているという。

 Woosungはマリンスポーツ器具メーカーとして1992年に設立され、現在では欧米およびアジア諸国に拠点を構え、自社ブランドを中心に世界75カ国で展開する一大企業グループへと成長している。2014年にKOSDAQ市場に上場を果たすとともに、オランダのマリンブランドの韓国市場における商標権を取得し、今春より、旗艦店をはじめ大手百貨店などに12店舗を展開するなど、本格的なブランド事業にも乗り出している。

 今回の「Ocean Pacific」ブランドの韓国展開においては、20代~40代の男女をターゲットに、マリンスポーツ分野だけでなく、ビーチからタウンまで、多様なライフスタイルシーンに向けて、アパレルから雑貨まで幅広く展開していく。Woosungの豊富な経験とノウハウを生かし、マリンスポーツショップや百貨店、Eコマースなど多様な販路を通じて展開するとともに、各種イベントへの協賛やSNSなどでのPR活動にも注力し、韓国市場におけるブランドの認知度を高めていく。また、2018年にはソウル市内に旗艦店の開設も計画しており、5年後に売上200億ウォン(約18億円)を目指すとしている。

 韓国のスポーツブランド市場は急成長していると言われる。今回の進出もこれを見越してのことだろう。果たして勝敗の行方はいかに。(編集担当:慶尾六郎)