【今週の展望】いつリスクオフするか油断できないSQ週だが

2016年10月10日 20:31

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海外のリスク要因は「トランプの逆襲」、アメリカ金融大手決算にポンド、ドイツ銀行。国内も、ゴジラより怖い台風の連続襲撃で、「街角景気」悪化のリスクをはらむ。

 オシレーター系指標は「買われすぎ」シグナルが1個点灯し、それにごく近いのが1個ある。買われすぎはストキャスティクス(9日・Fast/%D)で、89.2で買われすぎ基準の70を上回った。買われすぎに近いのが25日騰落レシオで、118.7で買われすぎ基準の120にあと1.3まで迫っている。7勝5敗で58.3%のサイコロジカルライン、61.2のRSI(相対力指数)もやや高めのレベル。それ以外は、ボリュームレシオは59.3、RCI(順位相関指数)は+41.3、25日移動平均乖離率は+0.7%で、ニュートラルな数値である。

 トレンド系指標もオシレーター系指標も、ハイポジションのように見えてそれほどでもない。それは下にも動けるが、上に動く可能性もけっこうあるということ。テクニカル指標でいえば今週、17000円突破の可能性は十分ある。そのきっかけはアメリカの雇用統計か? ドル円が105円を突破する円安進行か? 「トランプ氏ほとんど降参状態」か? それとも村上春樹氏の文学賞受賞か?

 もちろん、その逆の結果を招く潜在的なリスクは、アメリカにもヨーロッパにも国慶節休暇明けの中国にも三連休明けの国内にも、たっぷりと存在している。

 9月30日時点の需給データは、信用買い残は23日時点から330億円増の2兆2073億円で2週ぶりの増加。信用倍率(貸借倍率)は2.86倍から3.18倍へ2週ぶりに上昇した。信用評価損益率は-11.75から-12.21へ2週ぶりに悪化。9月以降、週替わりで悪化と改善を繰り返している。

 裁定買い残は1718億円増の6919億円で3週連続の増加。6915億円だった9月2日時点の水準まで回復した。しかし裁定売り残は7116億円で過去最高を更新し、裁定買い残との逆転現象も解消しなかった。

 9月26~30日の投資主体別株式売買動向によると、外国人は1887億円の5週連続の売り越し、個人は547億円の2週ぶりの買い越し、信託銀行は372億円の2週ぶりの売り越しだった。

 前週のカラ売り比率は、10月3日が37.7%、4日が37.8%、5日が37.6%、6日が36.2%、7日が37.4%と、一度もアブノーマルな40%超えの日がなく、ノーマルな毎日。日経平均VI(ボラティリティー・インデックス)の7日の終値は20.24で、9月30日終値22.14から1.90ポイント低下。前週はずっと20台で、リスクオンを印象づけた。

 さて、7日に発表されたアメリカの9月の雇用統計は、非農業部門雇用者数の伸びは市場予測の17.2万人増を1.6万人下回る15.6万人増。完全失業率は8月および市場予測の4.9%から0.1ポイント悪化し5.0%、平均時給は前月比で市場予測の+0.3%を下回る+0.2%と、ことごとく悪かった。12月の利上げにはブレーキだが、12月のFOMCまでに雇用統計の発表はあと2回ある。NY市場は指標への失望と利上げへの思惑が複雑に交錯したが、原油先物価格の下落もありダウ終値は28ドル安。為替はNY時間でドル円が103円近辺、ユーロ円が115円台前半まで円高が進行したが、それでも1週間前よりは円安。CME先物清算値は16785円。大阪夜間取引終値は16790円だった。雇用統計自体では日経平均は70円程度の下落にとどまり、それほど大きな影響はなさそうだ。

 SQ週なので11日は火曜日、12日は水曜日の「鬼門」になる。カラ売り比率やボラティリティー・インデックスは低下しているが、前週に410円上昇したことで利益確定売りが入りやすい地合いになっている。為替の円高を伴って100円も150円も一気に下げられる恐れはそんなに大きくないが、ザラ場中に50円程度の「中波乱」は十分ありうる。ただ、中波乱でおさまれば、その直後に「全値戻し」するケースもけっこうあり、前週はまさにそんなパターンだった。そうするとザラ場中の下落は大きくても100円前後だろう。今週はマイナーSQ週でもあり、大統領選挙の趨勢に変化がなく為替も動かないという前提で言えば、2日で200円程度の下げで「鬼門」を通過できるとみる。7日終値16860円の200円引きは16660円で、そのすぐ上に200日移動平均の16712円があり、すぐ下に今週の「雲」の上限16638円がある。下がっても雲タッチ程度でしのぎ切れれば、今週の下値は16600円とみていいのではないか。日足一目均衡表の「雲」の下値サポート力はあなどれない上に、日経平均には日銀のETF買いという、強い味方があったのだ。

 一方、上値は前週、タッチできそうでできなかった17000円の大台に再チャレンジするチャンスがあると思われる。前週から為替は円安方向に振れやすいクセがついている。前週は、為替が円安であれば、薄商いが続いてエネルギー不足、好材料不足でも日経平均はそこそこ上昇できることが証明された。今週、ドル円が再び104円台になれば、要人発言など何かをきっかけに17000円の大台にタッチする可能性は十分ある。しかし、SQ週なので長続きはしないだろう。

 ということで、今週の日経平均終値の予想変動レンジは16600~17000円とみる。

 「トランプ・リスク」と言われるが、もしも状況不利なトランプ氏が、クリントン氏を木っ端みじんに粉砕できるスーパースキャンダル爆弾を保有していたら、一発逆転を狙って逆襲攻撃に出るかもしれない。そうなればマーケットは大混乱必至だ。もっとも、クリントン氏も同等の破壊力のある〃戦力〃を保有していて、その報復攻撃を受けたらトランプ氏もまた破滅する〃相互確証破壊(MAD)〃の状態だったら〃先制使用〃はできず、〃恐怖の均衡〃で抑止力が11月8日の大統領選挙投票日まで働くことも考えられる、が。(編集担当:寺尾淳)