【今週の展望】もみあって時間が経過して底の地固めになるか

2016年09月11日 20:54

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来週の3連休明けの20~21日には、FOMC、日銀会合がダブルで開かれる。「薄商い、小動き」は依然、続きそうだ。

 今週、9月第3週(12~16日)は5日間の取引。来週20~21日にFOMCと日銀会合という日米の中央銀行イベントがダブルで開催されるが、それを前に今週15~16日はアメリカの経済指標ラッシュになる。

 世界の主要株式市場の休場日は、東アジア諸国に15日を中心とする「中秋節」の休日がある。12日にシンガポール、マレーシア、インドネシア、トルコ、13日にインド、トルコ、14日に韓国、トルコ、15日に中国、台湾、韓国、トルコ、16日に中国、台湾、香港、マレーシア、韓国、メキシコが、それぞれ休場する。

 国内の経済指標、イベントは13日の法人企業景気予測調査が重要。

 12日には7月の機械受注、8月の国内企業物価指数、工作機械受注、13日には7~9月期の法人企業景気予測調査、8月の首都圏・近畿圏新規マンション発売、14日には7月の鉱工業生産指数確報値が、それぞれ発表される。

 12日に榊原経団連会長が、14日に三村日商会頭が記者会見を行う。15日は民進党代表選挙の投開票日。今週はゲーム関連のイベントが多く、13日にソニー<6758>の「プレイステーション・プレス・カンファレンス・イン・ジャパン」、15~18日に「東京ゲームショウ2016」(千葉市・幕張メッセ)が開催される。16日に任天堂<7974>が、発売が延期されていた腕時計型デバイス「ポケモンGO Plus」をリリースする。

 主要銘柄の決算発表は端境期。2月期決算銘柄の3~8月期決算は今月末頃から。

 12日はサトウ食品工業、丸善CHIHD、gumi、日本テレホンなど。13日は神戸物産、稲葉製作所、サクセスHD、ツルハHD、TASAKI、ナイガイなど。14日はバリューゴルフ、サンバイオ、オハラ、アスクル、銚子丸、3Dマトリックス、アルデプロなど。15日はウインテストなど。

 新規IPOは今週4件ある。

 14日にデジタルアイデンティティ<6533>が東証マザーズに新規上場する。東京が本社で、デジタルマーケティング事業(運用型広告、SEOコンサルティング、クリエイティブサービスなど)、ライフテクノロジー事業(アプリの企画・開発・運営)を行う。公開価格は1540円。投資家人気が高いコンテンツ関連。

 14日にカナミックネットワーク<3939>が東証マザーズに新規上場する。東京が本社で、医療・介護分野に特化したクラウドサービス事業が主要業務。公的介護保険の請求事務など介護ソフト・システムに強みがある。公開価格は3000円。安倍内閣の「働き方改革」で重視されている介護の関連ビジネス。

 14日に串カツ田中<3547>が東証マザーズに新規上場する。東京が本社だが「ソースの二度付け禁止」で知られた大阪名物の串カツ店がルーツ。全国で串カツ居酒屋「串カツ田中」の直営、FCの運営を行う。公開価格は3900円。外食産業は業務内容がわかりやすく、現金商売で結果がすぐに業績に反映する。株主優待制度も魅力。

 16日にノムラシステムコーポレーション<3940>がジャスダックに新規上場する。東京が本社のSAP公認のERPソリューション・ベンダー。ERPの導入コンサルティングや保守サービスなどを行う。野村HD<8604>、NRI(野村総合研究所)<4307>とは無関係。公開価格は960円。ERPは企業のITインフラとして広く利用されている。

 海外の経済指標、イベントは、15日の小売売上高、フィラデルフィア連銀PMI、NY連銀PMI、16日のCPIと、アメリカの経済指標に重要なものが目白押し。もし揃って好調だったら、来週20~21日のFOMCに影響を及ぼすかもしれない。

 12日にはインドの8月の消費者物価指数(CPI)、13日には中国の8月の鉱工業生産、小売売上高、都市部固定資産投資、英国の8月の消費者物価指数(CPI)、ドイツの9月のZEW景況感指数、アメリカの8月の財政収支、14日には英国の8月の失業率、ユーロ圏の鉱工業生産、アメリカの8月の輸入物価指数が、それぞれ発表される。

 15日にはニュージーランドの4~6月期のGDP、アメリカの8月の小売売上高、9月のフィラデルフィア連銀製造業景況感指数、8月の生産者物価指数(PPI)、4~6月期の経常収支、9月のNY連銀製造業景気指数、8月の鉱工業生産・設備稼働率、7月の企業在庫、8月の北米半導体製造装置BBレシオ、16日にはアメリカの8月の消費者物価指数(CPI)、9月のミシガン大学消費者信頼感指数が、それぞれ発表される。

 13~20日に第71回国連総会が開かれる。その前に北東アジアの〃核保有国〃に関する緊急安全保障理事会招集か? 15日にイングランド銀行(BOE)の金融政策委員会が開かれ、政策金利が発表される。16日にスロバキアで欧州連合(EU)の非公式首脳会議が開催される。EUを離脱する英国を除く27加盟国が参加する。

 アメリカの主要企業の決算は16日にオラクルが発表する予定。

 前週末9日の日経平均終値は16965.76円だった。そのテクニカル・ポジションを確認すると、移動平均線は5日線と200日線が上に、25日線と75日線が下にある。前週は今年になって初めて日経平均が200日線の上に出て、5日線とポジションが逆転した。5日線は9月メジャーSQ清算値と45銭差でほとんど同じ位置の17011円で、9日終値の46円上。200日線は18円上の16983円で、月よりも近い。25日線は16737円で228円下。75日線は16381円で584円下にある。

 日足一目均衡表の「雲」は、9日は16057~16196円に位置していた。9日終値は雲の上限よりも769円上にあり、遠く離れてしまった。今週は雲の下限が16057円で固定され、雲の上限が16186~16228円の範囲で動くが、雲の厚さは129~171円と薄い。移動平均線がみんな上に離れてしまった薄い雲は、値動きへの影響力は小さい。来週以降、雲は厚くなってその上限は上がっていく。

 ボリンジャーバンドでは、9日終値は25日線+1σの16953円よりわずか12円上にあり、ニュートラル・ゾーンにほとんど接している。+2σは17168円、-1σは16521円。-2σの16306円でも日足一目均衡表の雲より上にある。8月下旬以降、17000円の手前からそのやや上あたりでもみあって時間が経過したことで、テクニカル的には底の地固めができ、大幅下落しにくい体質になった。

 それでもオシレーター系指標は「買われすぎ」シグナルが2個点灯している。71.3で、買われすぎ基準の70をわずかに超えるストキャスティクス(9日・Fast/%D)と、+85.3で買われすぎ基準の+50を大きく超えたRCI(順位相関指数)である。それ以外は、109.1の騰落レシオはやや高い位置にあるが、64.0のRSI(相対力指数)、+1.3%の25日移動平均乖離率、51.4のボリュームレシオはほぼニュートラル。サイコロジカルラインは6勝6敗で50.0%のイーブンである。

 9月2日時点の需給データは、信用買い残は8月26日時点から1019億円減の2兆1509億円で3週ぶりの減少。信用倍率(貸借倍率)は3.15倍から2.90倍へ2週続けて低下した。信用評価損益率は-15.50から-13.88へ3週間ぶりに1.62ポイント改善していた。裁定買い残は834億円増の6915 億円で、3週連続で増加。東証が発表した8月29~9月2日の投資主体別株式売買動向によると、外国人は2週ぶりに売り越して売越額は642億円。個人は3週ぶりに売り越して売越額は3204億円。信託銀行は7週連続の買い越しで買越額は699億円だった。

 メジャーSQ週だった前週のカラ売り比率は、5日が37.3%、6日が34.9%、7日が35.4%、8日が40.6%、9日が38.4%だった。8日に40%をわずかに超えたものの、45%に迫るような異常な日はなくなった。日経平均VI(ボラティリティー・インデックス)の9月9日終値は20.46。前週は一貫して低下を続け、前々週末9月2日の終値24.01より3.55も低くなった。恐怖指数が高くて夏の怪談にうずくまるのは、もういやだ。

 総じて言えば、ボリンジャーバンドとオシレーター系指標は「やや上値限定」だが、「雲」は気にする必要は全くなし。25日移動平均線は今週の下値の支えの有力候補だろう。9月メジャーSQ値は9日のザラ場で上回って「まぼろし」にならなかったので、向こう3ヵ月、レジスタンスラインの闘士と化してはね返される心配はないと思われる。

 今週は、来週の3連休明け20~21日のFOMC、日銀会合を控えての様子見姿勢がピークになる。そのため「薄商い、小動き」が依然、続きそうだ。それでも上値を追えるとすればアメリカの経済指標ラッシュが来る前の週前半で、ドル円が103円台に乗せるような為替のサポートがあれば、前週5日のザラ場のように17100円付近までは到達できるだろう。

 一方、下値は引き続き日銀のETF買い733億円の「抑止力」が効く。前週も7日と9日に発動され、日経平均を7日後場は42円、9日後場は39円上昇させた。ドル円が100円を割るような事態でもなければ、今週の下値は厳しく見積もっても25日移動平均線の16737円あたりで止まるとみる。

 9日はNYダウが394ドル下落して大阪取引所の先物夜間取引終値は16660円だったが、メジャーSQを通過して先物の期近物が12月限に変わり9月中間期の配当権利落ち分が差し引かれている。10日も為替はNY時間に円安に振れてドル円は102円台後半で終わったので、12日は大幅安で始まるようなことはなく、小幅安か小幅高だろう。

 ということで、今週の日経平均終値の予想変動レンジは16750~17100円とみる。

 前週は売買高が20億株を超えた日がメジャーSQの9日を含めて1日もなく、夏場からの薄商いがずっと続いている。こうも長引くと、何か構造的な問題があるのではないかと思いたくなる。なぜ、人は株式投資の世界から去っていくのか? 「損したから」だけが理由ではないはず。「株式投資に魅力を感じなくなったから」「夢が持てなくなったから」「面白くないから」ではないだろうか。(編集担当:寺尾淳)