石破茂前国務大臣(地方創生担当)は「働き方改革の議論が本格化しているが、同一労働・同一賃金や非正規という言葉を一掃するということについて、いまだに正確な理解が出来ていない」と自身のブログに書き込んだ。
理由についての疑問も分かり易い。石破氏は「日本の労働契約は一般的・抽象的な内容のものが多い、と学生時代の労働法の講義で教わったように記憶しているが、何をもって同一労働と評価されるのか」と自身に投げかけている。
また「非正規を一掃する」という安倍晋三総理の発言にも「恐らくすべての労働者が正規雇用となることを意味するのであり、それはそれで、とても素敵なことなのだが、ボーナスや社会保険などをすべて合算すると非正規雇用と正規雇用の収入は相当に乖離しているのが現状」とし「まさか正規の諸待遇を非正規に合わせるわけでもないでしょうから、人件費は相当に増嵩することになると思われますが、どのようにして実現するのか」とハードルの高さを隠さない。
石破氏は「生産性を上げて賃金を上昇させる、ということなのでしょうが、経営者側や正規社員を多くの構成員とする連合の見解も是非とも聞いてみたい」と、達成手段にどのような手法があるのか、自身の疑問も解決するため、真剣に探る姿勢をうかがわせた。(編集担当:森高龍二)