安倍晋三総理は28日の参院本会議で、衆院を解散しない代わりに国民に信を問うため、参院選挙改選議席の過半数を目指すとし議席を伸ばしたことを背景に「国民の信を問い、国民の信を得た」とし「ごまかしとの指摘は当たらない。安倍内閣としての責任はアベノミクスをいっそう加速させていくことだ」とアベノミクスは途半ばだとして、一層加速させていくと強調した。
民進党の蓮舫代表に答えた。蓮舫代表は消費税引き上げを2度にわたって延期しなければならない状況になっていることなどを指摘し、過去に通用した経済政策ではなく、今の時代にあった経済政策が必要と訴えた。
そのうえで「消費が拡大しないのは全てのライフステージでお金を貯めておかなければと思う『不安』があるからだ」と指摘。
蓮舫代表は「1年後、数年後の自分の人生設計すら描けないためにお金を使えない。結婚できるかという不安。子どもを産んでも育てられるかという不安。大学を奨学金に頼ったものの非正規社員にしかなれずに借金を返せないという不安。現役を引退、年金・介護・医療制度で生きていけるかどうかの不安。この不安の連鎖を断ち切る」ことが必要とした。
そのうえで「アベノミクスでは解消されていない教育、雇用、老後の不安を取り除いてはじめて、個人消費が動きだすと私たちは考える」とし「教育や子育て支援、職業訓練などの若手・現役世代への再分配、社会保障の充実を通じたシニア世代への再分配、人への投資を重点的に強化することこそが経済再生につながる王道だ」と党が重視する「人への投資」へ政策転換を提示した。
代表質問後の記者団の質問に「予算委員会なら双方向。しっかり向き合いたい」と本格論戦の場で提案型の論戦を展開する考えを示した。(編集担当:森高龍二)