自由民主党の茂木敏充政務調査会長は9日のNHK番組で、アベノミクスについて「様々明るい要素は見えてきている」とした。
茂木政調会長は「特に経済が大きくなっているか、企業が儲かっているか、仕事が増えているか、雇用情勢が改善しているかなど」をあげ「自民党が政権について3年半でGDPは33兆円増え、500兆円台を回復。企業収益も昨年68兆2000億円と史上最高を更新。雇用も有効求人倍率は1.37と、この25年で最も高い。すべての都道府県で史上初めて『1』を超えた」とアベノミクスによる成果だとした。
一方で、こうした明るい要素とは別に「消費が弱い、潜在成長率が伸びていない、世界的な経済リスクが生まれている」ことをあげ、さらに、アベノミクスを進めていく必要を提起した。
一方、民進党の大串博志政務調査会長は「アベノミクスは国民に豊かさを届けていない」と断じた。大串政調会長は「民主党政権での年間成長率は平均1.7%だったが、安倍政権での3年9カ月では0.8%しか成長していない。企業収益も過去最高と言われながら、ほとんどは企業の内部留保になり、3年間で80兆円も内部留保が積み増しされ、国民に届いていない(社会還元されていない)。雇用でも170万人弱が非正規雇用で増えているだけで、正規は40万人弱減っている」とし「アベノミクスは政策転換すべき」とした。
茂木政調会長は「成長市場を国内につくっていくことが大事だ」と企業収益が海外投資に回る要因が国内市場の状況にあるとして、需要創出努力の必要を強調した。そのうえで「第2次補正予算でGDP1.3%の押し上げ効果がある。インフラでも21世紀型のインフラをつくっていきたい」とした。(編集担当:森高龍二)