グローバルで活躍するCMOはすでにAI時代の到来に備えている

2016年10月30日 08:17

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グローバルPR会社のウェーバー・シャンドウィックとKRCリサーチ社は共同でAIに関する意識調査を実施した。

 AIはビジネスとマーケティングのプロセスを急速に変化させている。グローバルPR会社のウェーバー・シャンドウィックとKRCリサーチ社は共同でAIに関する意識調査を実施した。同調査では米国、カナダ、イギリス、中国、ブラジルの5つのグローバル市場において、マーケティングを担うグローバル企業のCMO(最高マーケティング責任者)150人への個別電話インタビューおよび、消費者2100人へのオンライン調査を実施。回答に応じたCMOのうち約7割(68%)は、現在AIに関連した分野での売上がある、もしくはビジネスを計画中であると答えた。また、約6割(58%)は、今後5年での企業の成功には、AI分野での競争に勝ち抜く必要があると予測し、約半数(55%)のCFOが自身のマーケティングやコミュニケーション領域の職務において、AIはソーシャルメディア以上の影響をおよぼすと予測している。

 消費者を対象にした調査では、AIが実用化しないと考えている消費者は8%に留まり、大部分(92%)はやがてAIの時代が到来すると考えていることがわかった。消費者の約4分の1(26%)はAI開発の加速を望んでおり、およそ半数(51%)は現状の開発のペースを継続することを望んでいた。また、AI開発のペースを落とす、もしくは中断を望む消費者は23%に留まりまった。世界5市場の消費者のおよそ半数は、社会に与えるAIの影響力を肯定的(肯定的45%:否定的7%)に捉えている一方で、約3分の2(64%)がAIの利用や導入に対しては不安もあることを表明していた。潜在的なリスクとしては「犯罪行為」と「サイバー攻撃」が最も多く、次いで「仕事の喪失」が挙げられた。

 ウェーバー・シャンドウィックのレポートではマーケティングとコミュニケーションの専門家や企業に対して、AIを取り入れるうえでのガイドラインを策定。これによれば、消費者はAI時代の到来を受け入れているが、AIについてしっかり理解している人はほんの一握りで、これを認識した上での消費者のレベルに合わせたアプローチが必要となるとのこと。従来のリサーチ・マーケティング手法に関して根本的に見直す機械も出てくるため、マーケッター自身も常にAIに関する知見を広げるべく学習し続けることが重要だ。(編集担当:久保田雄城)