露との経済協力に前のめり過ぎと懸念 前総理

2016年11月01日 07:07

 前総理でもある民進党の野田佳彦幹事長は、31日、安倍晋三総理がロシアとの経済協力に前のめり過ぎることが日米同盟に悪影響にならないか、ブログで懸念を示した。

 野田幹事長は「東アジアを巡る安全保障環境が厳しさを増すなか、日本の外交・安保の基軸である『日米同盟』をより深化していかなければならない」とし「その日米同盟に悪影響を及ぼしかねないと懸念されるのが、ロシアとの経済協力に前のめり過ぎる安倍総理の姿勢」とした。

 野田幹事長は「冷戦終了後、現在の米国とロシアの関係は最も険悪となっている」との認識を示した。

 理由では1点目に、ロシアによるウクライナ侵略・クリミア占拠。プーチン大統領の力による現状変更の試みに対し、欧米諸国は経済制裁を継続している、ことをあげた。2点目にはシリアでの米・ロ停戦合意の崩壊があるとした。合意に違反したのは明らかにロシア側であり、オバマ政権は完全にコケにされた。両国の対立は尖鋭化している、としている。

 また、3点目に、米国の民主党や選挙機関などに対するロシアのハッキング。特にウィキリークスが流しているクリントン候補に不利な情報はロシアの公安当局がその技術とコードを使って探知したものと推定されている、とし「国益上マイナスにならないようにするには、米国の理解が不可欠だが、日本政府はその努力を十分にしているのか」と疑問を投げている。(編集担当:森高龍二)