松野博一文部科学大臣は「いじめ防止に平成30年度から全面実施となる『特別の教科・道徳』の充実が大変重要とのメッセージを20日までに出した。またメッセージでは「道徳の授業を行う先生方には授業で、いじめに関する具体的な事例を取り上げ、児童生徒が考え、議論するような授業を積極的に行っていただきたい」と具体例で考えさせることを要請した。
松野大臣は「道徳の特別の教科化の大きなきっかけは、いじめに関する痛ましい事案だった」とし「現実のいじめ問題に対応できる資質・能力を育むために『あなたならどうするか』を真正面から問い、自分自身のこととして、多面的・多角的に考え、議論していく『考え、議論する道徳』へ転換することが求められている」と強調。
また、「こうした取り組みは、道徳の特別の教科化の全面実施を待たずにできる」とし「学校や児童生徒の実態を踏まえつつ、できるところから、いじめに関して考え、議論する授業を積極的に展開してほしい」と求めている。
文科省では、授業で考え、議論し「いじめられる側にも問題があるという考えがあってもよいのでは」との結論について「いじめ防止対策推進法に示されているように、いじめは『受けた児童等の教育を受ける権利を著しく侵害し』『その心身の健全な成長及び人格の形成に重大な影響を与える』のみならず『その生命又は身体に重大な危険を生じさせるおそれがある』ものであることを前提とすることが必要」と説明。
「授業では『いじめはなぜいけないのか』を考え、議論することを通して、いじめが『けんか』や『意見の対立』とは違うものであることを子供たちにしっかり認識させ、『いじめられる側にも問題がある』という考え方を乗り越えられるようにすることが大切」としている。(編集担当:森高龍二)