子ども達のネット事情とトラブル 依然ルール決めていない家庭も

2016年04月29日 08:56

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子ども達にとっても、インターネットは身近な存在であり、なくてはならないものといっても過言ではない。だがその裏でトラブルやモラルの低下が社会問題となっており、対策が追いついていないのが現状だ。

 子ども達にとっても、インターネットは身近な存在であり、なくてはならないものといっても過言ではない。今年3月に内閣府が発表した「平成27年度青少年のインターネット利用環境実態調査(満10歳から満17歳までの青少年対象)」によると、インターネット利用率は10歳が52.6%、17歳になると97.5%に達する。10歳から12歳は携帯ゲーム機、13歳から17歳はスマートフォンによるインターネット利用者が多く、平均利用時間は約141.8分であった。

 子ども達がインターネットで何をしているのかというと、高校生はコミュニケーション(89.9%)、音楽試聴(81.7%)、動画視聴(81.5%)、中学生はゲーム(71.1%)、動画視聴(70.5%)、コミュニケーション(62.9%)、小学生はゲーム(75.1%)、動画視聴(56.8%)が上位で、年齢によって傾向が異なる。

 一方、インターネットの普及が加速する裏で、トラブルやモラルの低下が社会問題となっており、対策が追いついていないのが現状だ。総務省ホームページでは「インターネットトラブル事例集」という小中学校向けの指導案がダウンロードできるようになっている。指導内容は、「スマートフォン特有のトラブル」「書き込みやメールでの誹謗中傷やいじめ」「ショッピングサイトなどからの思いがけない代金の請求や詐欺」「誘い出しによる性的被害や暴力行為」など。

 また、「スマートフォンを子供に買い与えるとき、保護者が気を付けること」という特集もある。ネットトラブルに遭った子どもの約95%がフィルタリングを設定していないというデータを挙げ、フィルタリング設定でリスクを軽減できると紹介している。ところが、先述の調査では、スマートフォンでインターネットを利用している子どもに対して「フィルタリングを使っている」と答えた保護者は41.1%に止まった。

 さらに、インターネットの利用に関する家庭のルールについては、青少年と保護者間での認識の差が浮彫りとなった。特に、高校生は顕著で、保護者の71.4%がルールを決めていると回答しているのに対し、認識している青少年はわずか48.3%。わが子を信用することは大切だが、信用と放置とでは意味が随分違ってくる。トラブルを防ぐためにも家庭でできる対策を怠らないようにしていただきたい。(編集担当:久保田雄城)